2016 Fiscal Year Research-status Report
会計史研究の展開に関する実証研究:リサーチ・データベースの作成と国際比較
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15K03772
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
中野 常男 国士舘大学, 経営学部, 教授 (60093522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤登 千恵 大阪産業大学, 経営学部, 教授 (30352090)
清水 泰洋 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (80324903)
橋本 武久 京都産業大学, 経営学部, 教授 (00290601)
三光寺 由実子 和歌山大学, 経済学部, 准教授 (60549301)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 会計史 / 日本 / 刊行パターン |
Outline of Annual Research Achievements |
会計史研究においては,英語を母語としない研究者による研究が増加しつつある。それらは,時に研究者の母語で執筆・公開され,時には英語で執筆・公開される。前者の研究は,特定の言語圏に属する研究者の研究を進展させる効果があることは言うまでもない。ただし,国際的な文脈から見ると,当然ながら研究の可視性は大きく低下する。会計史研究においても国際化が進展している中で,日本の会計史研究(者)が取る道を探るべく,本研究課題においてはわが国で蓄積されてきた過去の研究を一覧化すること,そしてそれを広く世界に提示することを目的としている。 今年度は,日本で行われてきた会計史研究を国際的文脈に位置づけて分析する研究と,具体的なデータベースの構築の二つに分けて研究を実施した。前者については,会計史研究の国際比較に関する研究を具体化させた。日本の会計史研究の研究対象の領域,地域,時代について蓄積されてきたデータベースを,海外の会計史専門の学術誌であるAccounting Historians JournalおよびAccounting Historyのそれぞれと比較し,検討を行った。検討の結果,海外の学術誌においては,プロフェッションに高い関心が寄せられる一方,日本では簿記・財務会計に対する関心の高さが見られ,研究対象についての相違が強く見られることが指摘された。また,日本の会計史研究について,その源流に位置する会計人として海野力太郎に着目し検討を行った。さらに,日本の会計史研究の進展について,刊行パターン(publishing patterns)の研究という研究の文脈から位置づける研究を著し,現在刊行に向けた作業が進展中である。 データベースについては,『産業経理』誌のデータベースの構築について作業が進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本の会計史研究の進展に関する研究については,順調に進展しており,その成果の刊行が行われている。その一方で,『産業経理』のデータベースについては,未だ完全な形には至っていない。これらを考慮した結果「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度にひきつづき,日本の会計史研究の分析と,リサーチ・データベースの構築の両面から研究を進展させる予定である。特に後者については,件数の多さに伴い分量が多いため,電子的な手段での公開を予定している。
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Causes of Carryover |
研究分担者同士の打ち合わせについて,個別的に研究集会を持つのではなく,他の研究集会の機会を利用して打ち合わせを行い,またメール等を通じたオンライン上のやりとりの回数および比率が高くなったため,旅費が当初の予想よりも低額であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データベースの構築に関する打ち合わせにおいては,オンライン上での会議の難しい打ち合わせ内容が含まれるため,物理的な移動およびその旅費が発生する。次年度には研究打ち合わせのための旅費を使用する計画である。
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