2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K03775
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高橋 隆幸 横浜市立大学, 国際マネジメント研究科, 准教授 (50326071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野間 幹晴 一橋大学, 国際企業戦略研究科, 准教授 (80347286)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 会計学 / 税務会計 / 財務会計 / 租税法 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の研究テーマは、「役員給与の税務をめぐる実証研究」です。租税が納税者の行動に影響を与えるか否か、与えている場合にはどの程度か、与えていない場合にはその理由を実証的に検証しようと試みています。今年度は、確定給付企業年金における年金積立行動に関する研究および平成21年度に導入された外国子会社配当益金不算入制度が多国籍企業の利益還流政策に与える影響を研究しました。 確定給付企業年金における企業の年金積立行動(年金拠出額の決定)に関する研究では、前払年金費用を計上する企業、つまり退職給付債務を超えて年金資産を積み立てている企業に着目して企業の課税状態との関係を明らかにしました。さらに、前払年金費用の積立に対する株式市場の評価を調査し、税制が株価に与える影響を明らかにしています。この研究成果は、2015年11月の税務会計研究学会・第27回大会において研究報告を行い、論文を執筆して、学会誌『税務会計研究』に投稿中です。 多国籍企業による利益の本国還流に関する研究では、税制改正前後のデータを用いて、税制改正前は日本と外国子会社所在地国の法人税率の差が企業の本国還流に影響を与えていたが、税制改正後には無関係となっていることを明らかにしました。つまり、税制改正によって、企業の意思決定に制約がなくなったことを明らかにしています。この研究成果は、2015年8月の税務行動研究会および2015年9月の日本会計研究学会・第74回大会において研究報告を行い、論文を執筆して、雑誌『會計』に投稿中です。 上記の他に、ストック・オプションに関する研究を行っています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、研究期間3年間のうちの初年度です。初年度において、学会報告等を3回行いました。また、論文を2本執筆し、投稿中ですが、掲載は決定しています。次の研究報告の準備も着々と進行中です。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ストック・オプションに関する研究を行います。既に、データ・ベースの作成を終えていて、分析作業中です。ストック・オプションの税制面に着目した研究で、税制適格・税制非適格ストック・オプションの決定要因を分析しています。
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