2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K03777
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
福田 直樹 兵庫県立大学, 経営研究科, 准教授 (90388405)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 予算管理 / 予測情報 / 期中管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
予算管理制度は、Beyond Budgetingの議論(Hope and Fraser, 2003)において、今日のように激しく環境が変化する状況下での有効性に疑問が呈されつつも、世界中の多くの組織で依然として利用されている。このような環境のもとで企業が予算管理を有効に実施していくためには、硬直的になりがちな予算の弾力性をいかに確保していくのかがひと際大きな課題となりうる。そのための手段の一つとして、実際に多くの割合の日本企業が期中において当初予算の点検・修正を実施しており、その際の課題に「環境予測の困難性」をあげている(平井ほか、2013)。 本研究は、このような予算管理プロセスにおける「予測」の面に着目し、予算の弾力性を確保する上での「予測情報の役割」を理論的かつ実証的に明らかにすることを目的としていた。 平成28年度は、引き続き文献レビューを中心に実施してきた。その結果、予算管理と期中の行動計画の変更との関係に焦点を当てた研究の蓄積は、まだ限られていることが分かった。そのため、企業が期中の環境変化により、当初予算の達成に向けて、期中において行動計画を変更できている組織とそうでない組織とでどのような違いが存在するのかについて、予測情報の活用の側面も含め、一旦報告者の観点からブレーンストーミングを実施し、その結果から先行研究を整理する必要があることを認識した。現在は、その結果を要因ごとに整理している状況であり、以上の結果を平成28年度中に論文にまとめるまでには至ってはいない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献レビューの過程で、予算管理と期中の行動計画の変更との関係に焦点を当てた研究は、まだ限られていることが分かった。そこで、独自の視点を提示するためにも、研究作業を文献レビュー中心から、ブレーンストーミングによる論理の整理へと、その比重を移した。具体的には、平成28年度後半より、「期中の環境変化と当初予算目標の達成」に関するブレーンストーミングを実施してきた。現在は、その結果を要因ごとに整理している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度から現在にかけて実施してきたブレーンストーミングの結果を整理し、それを先行研究ならびに必要に応じてすでに実施したインタビュー調査済の1社のデータと付き合わせることを通じ、まずは先行研究で十分に着目されてこなかった観点から新たな課題を明確化する予定にしている。
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Causes of Carryover |
結果的に2千円台の少額の残金が生じたため、次期に繰り越すことにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現時点では、書籍等の物品費にて支出する予定にしている。
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