2018 Fiscal Year Annual Research Report
The roles of forecast information for flexible budgeting
Project/Area Number |
15K03777
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
福田 直樹 兵庫県立大学, 経営研究科, 准教授 (90388405)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 予算管理 / 予測情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、期中の環境変化を踏まえて、当初の予算目標の達成を志向した行動計画の修正、新規策定が期中においてなされる上で重要とされる要件や要因を文献研究を通じて整理した。先行研究の多くは、予算管理プロセスにおいて、期中の環境変化に対応すべく行動計画を修正・策定していくために、下位管理者や従業員をいかに支援するのかという立場で議論されていた。また先行研究では、期中での環境変化を受けて、その現状認識と行動計画の修正内容等を関係者で議論する「場」の存在が取り上げられており、その「場」自体が期中の環境変化に向けた対応行動が行われる契機となっていた。さらに、予測情報を利用した行動計画の修正・策定など、予算管理を補完する目的での他のシステムの併用等の工夫により、予算目標達成に向け期中環境変化への対応を議論する「場」の機能強化が図られている可能性が示唆されていた。 それを受けて本研究では、今後実施すべき研究課題を以下の通り明らかにした。 (1)予算目標達成に向けて期中環境変化への対応を議論するための「場」の機能強化に影響を与える要因(予算管理の手続きやローリング予測、管理者の管理会計リテラシーなど)や、行動計画の進捗管理において下位管理者の果たす役割に影響を与える要因をより詳細に検討すること (2)とりわけローリング予測については、予測情報が期中で行動計画の修正に向けた「早期警戒機能」を発現するための要件について十分に議論されておらず、ローリング予測の構成要素を十分に整理しながらそれを明らかにすること (3)予算管理プロセスを通じて、期中に行動計画の修正・策定がなされるにいたるまでの相互関係を解明すること 結果的に予測情報の役割を解明するための実証研究にまでは至らなかったものの、その解明に向けた上記具体的研究課題を提示したことで、Better budgeting論の前進に向けた貢献を行った。
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Research Products
(1 results)