2017 Fiscal Year Research-status Report
全社的リスクマネジメントのための管理会計指標に関する実証研究
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15K03796
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
河合 隆治 同志社大学, 商学部, 准教授 (30368386)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 業績指標 / リスク管理指標 / 財務情報 / 非財務情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、事業リスクマネジメントの観点から管理会計指標がどのような役割をはたしているのかについて、先行文献に基づいた学術的な整理を行ったうえで、わが国企業を対象とした調査を実施することである。 本年度は、これまでの年度で行ってきた文献渉猟に基づいて、企業におけるリスクの認知が管理会計指標の利用や全社的リスクマネジメント、業績評価に与える影響について検討を行った。検討内容は英文論文としており、アムステルダム自由大学、フローニンゲン大学のセミナーにおいて発表を行った。なお本論文は、2018年度ヨーロッパ会計学会での報告論文として採択され、2018年5月に報告する予定である。 次に昨年度投稿していた、業績測定および事業リスクマネジメントを支えるマネジメント・コントロールに関する文献分析を行った論文が、国内学術雑誌である『メルコ管理会計研究』に採択され、公刊された。 同様に昨年度より進めていた組織間取引における事業リスクマネジメントに関しては、ヨーロッパ会計学会において報告を行い、2編の論文が、それぞれ国際学術雑誌であるManagement Accounting Research誌とJournal of Management Accounting Research誌に採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
在外研究により、平成28年年9月から平成30年3月31日までメルボルン大学(オーストラリア)およびアムステルダム自由大学(オランダ)に滞在していたために、実施計画の根幹である、わが国を対象とした質問票による実態調査を、実務的に行うことが困難であった。そのため平成29年度で研究課題を終了することができなかった。 その反面、在外研究においてさまざまな研究者と議論する機会が与えられたために、概念や調査計画の精緻化が進み、上述のように、英語論文の執筆や国際学術雑誌における論文採択につなげることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のような事情のため、補助事業期間延長を申請し、許可された。平成30年4月1日に日本に帰国したため、わが国を対象とした質問票による実態調査を平成30年度において実施し、成果にまとめる。また適宜個別企業に対してもヒアリングを行う。
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Causes of Carryover |
平成29年度中、在外研究のためにオランダ(アムステルダム自由大学)に滞在しており、本務校から離れていたために、慣れない環境下で研究費の執行がし難しい状況にあったこと、本研究課題の根幹である質問票調査が実施できなかったことが理由である。 平成30年度に実施する質問票調査に関連する費用やわが国企業を対象としたフォローアップインタビュー調査を行うための費用にこの次年度使用額を充てる。
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