2016 Fiscal Year Research-status Report
グローバル会計人養成のための国際会計教育方法の構築
Project/Area Number |
15K03806
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
菅原 智 関西学院大学, 商学部, 教授 (40331839)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 会計教育 / 原則主義アプローチ / ジェネリック・スキル / 国際財務報告基準 / 質的研究 / 量的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトの本年度の目的は質的研究によって調査した研究内容を追証するために量的研究手法によるデータ収集と分析を進めることであった。しかし、27年に予定していた質的データでは十分な分析結果を得られないことが判明し、本年度は追加的な質的情報の収集を実施し、その分析を行うことにした。 28年度に実施したインタビューによるデータ収集は、イタリアのパルマ大学で2教授、ベローナ大学で3教授、スペインのサラゴザ大学では4教授にインタビューを実施し、各国の各大学で実施されているイノベーティブな会計教育手法についての調査を行なった。 このようなインタビューによるデータ収集は、当初予定していた質問票による量的データよりも深く広がりのある情報を得ることができた。例えば、イノベーティブな会計教育手法がいかなる要因で開発され、授業で展開されるようになってきたか、また、なぜそのような新しい会計教育手法が求められているかについての理由、インタビュイーの知っている他大学教員が採用するその他の教育手法に関する情報を得ることなども同時に実施することができた。 収集されたインタビューデータは、すぐにトランスクリプションされ、Wordでタイプされて活字として電子保存している。また、当該データは、ATLAS.tiという質的分析のためのソフトウエアーを用いてテーマ分析を行い、データの解釈を進めているところである。 また、本年度を通して質的研究を実施してきたことで、このような方法で集めたデータが量的データよりも重要であるという印象も得られた。そのため、29年度についても引き続きインタビューを実施して、同様の質的データを収集していくことを考え始めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた量的データ収集を行わず、質的データの収集を行なっているが、研究内容や分析結果から、今後の研究の方向性を考えると、必要となるデータが質的データであると考えられるため、この変更は当該研究プロジェクトの当初の研究目的を遂行するために、必要不可欠な変更であると考えることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の研究実績の箇所でも少し触れたが、28年度を通して質的研究を実施してきたことで、このような方法で集めたデータが量的データよりも重要であるという印象が得られたため、29年度についても引き続きインタビューを実施して、同様のデータを収集し分析していくことを考え始めている。29年度には、過去行ってきた海外の会計教育研究者に対するインタビューに加え、日本国内でのインタビューも実施し、当該研究を国際比較研究としてまとめる準備も始めていきたいと考えている。
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