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2015 Fiscal Year Research-status Report

学歴社会のゆくえ

Research Project

Project/Area Number 15K03818
Research InstitutionTokyo Metropolitan University

Principal Investigator

中尾 啓子  首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 教授 (10274995)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords学歴社会 / 職業と学歴 / 序列構造 / 多元性 / マクロ要因 / 国際比較
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は,教育の職業への効果に対するマクロ要因の影響を国際的に比較する実証研究によって,資本主義社会の特色としてあげられる業績主義を再考することである.
具体的には,業績主義を反映する指標とみなされてきた学歴の職業的地位への効果の大きさの長期趨勢に着目し,この効果に対して,高学歴化や経済動向などのマクロな構造の変動がどのように影響しているか,量的社会調査データを用いて実証的に明らかにする.
また,マクロ要因の影響について,日本と東アジア(台湾)と欧米(アメリカ)との国際比較によって先進産業諸国間での違いを分析し,日本社会に特有の教育・雇用システムの業績主義への影響を示す.
本研究期間(平成27年度から平成29年度)のうち,平成27年度は日本データの分析をし,海外データの入手作業を進めた.また日本データの分析については,本研究は国際比較を前提とするため,アメリカとの比較分析を行った.分析の知見は,アメリカ社会学会(American Sociological Association at Chicago)で報告を行った.主な分析の知見は,90年以降に景気動向といったマクロな経済状況と個人の学歴と職業の結びつきが見られ,その傾向が日本社会とアメリカ社会では異なっていた点である.この変化の違いを追究していくためには,職業を序列構造としてみるだけではなく,職業の多元性に留意した分析が必要であることが学会の議論を通して導出された.
以上の点を鑑み,平成28年度以降は職業の多元性と序列構造を視野に入れた分析方法を検討・実践していく予定である.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成27年度の研究内容はアメリカ社会学会(American Sociological Association at Chicago)でその知見を報告しており,研究目的はおおむね達成された.
しかしながら,いくつかの点は不十分な状況にあった.第一に国際比較として日米のみならず台湾社会との比較を行う必要があったが,データ入手の点から実現困難であった.第二に学歴と職業の結びつきを検討するうえでは,職業の序列構造を見るだけでは不十分である点が上記の学会報告を通して明らかになった.
一点目についてはすでにデータを入手しており,本年度分析予定である.また二点目については,職業の多元性を捉えるための分析としてポジショニング分析を行い,今年度のアメリカ社会学会で報告することが確定している.
以上の点から,研究計画はおおむね順調に進展していると考えられる.

Strategy for Future Research Activity

上記のように,本研究は国際比較を前提とすることから継続的に海外での学会報告を予定している.その上で,報告での議論を通して研究内容を積極的に発展させる予定である.
また国際比較の対象として日米のみならず,台湾との比較を検討しているがそれまでの日米の職業と学歴の結びつきを検討するうえで,導出された分析枠組みが日本と同じ東アジアに属する台湾社会においても適用可能なのか,計量的な分析を通して検討していく予定である.

Causes of Carryover

平成27年度の研究から職業の多元性を考慮した分析を行う必要性が新たに生じた.こうした分析を行うには国勢調査といったマクロデータの加工作業を外注し,データを入手しなければならない.また地方の研究協力者は職業の多元性を考慮した分析について,優れた能力を有しているため,研究会に招聘する必要が生じた.さらに海外渡航(海外学会とデータ入手)を継続的に行う必要性が生じたため,研究資金を次年度に持ち越した.

Expenditure Plan for Carryover Budget

マクロデータの加工作業に40万円使用する.次に,地方の研究協力者を招聘し,研究会を複数回開催する予定であるため,その旅費として10万円を計上する.8月のアメリカ社会学会で報告するため(報告者:中尾啓子・大槻茂実・斉藤裕哉・細川千紘),渡航費として160万円を計上する.

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Effect of Education Reconsidered2015

    • Author(s)
      中尾啓子・大槻茂実・脇田彩
    • Organizer
      110th American Sociological Association
    • Place of Presentation
      Chicago(USA)
    • Year and Date
      2015-08-22 – 2015-08-25

URL: 

Published: 2017-01-06  

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