2016 Fiscal Year Research-status Report
農山村における新しいソーシャル・サポート・システム構築に関する研究
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15K03856
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Research Institution | Sapporo Gakuin University |
Principal Investigator |
小内 純子 札幌学院大学, 社会情報学部, 教授 (80202000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澁谷 美紀 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, 上級研究員 (00355265)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ソーシャル・サポート・システム / NPO法人 / 松沢の郷 / 共助組織 / 北海道清水町 / 秋田県横手市 |
Outline of Annual Research Achievements |
①北海道清水町と秋田県横手市の集落調査を継続して実施した。清水町については、農家の人がNPO法人を設立し廃校になった小学校跡地を利用して設立した小規模多機能型居宅介護事業所「松沢の郷」を対象に、その設立過程と現状に関する第2回目の調査を実施した。横手市に関しては旧山内村南郷地区に設立されたボランタリー組織である共助組織「南郷共助組合」(雪処理を中心に生活課題を扱う組織)を対象に、その設立過程と現状に関する調査を実施した。いずれもソーシャル・サポート・システムの事例として取り上げたもので、農家自身が主体的に取り組んだ貴重な事例である。 ②中国地方に関しては岡山県と島根県の中山間地域から対象地を選定することを決め、資料収集と関係者への聞き取りを開始した。島根県に関しては、今井裕作氏(島根県東部農林振興センター出雲事務所農業普及部)を招き研究会を2回開催し、島根県の中山間地域の現状について学んだ。岡山県に関しては、藤井和佐(岡山大学教授)より専門知識の提供を受けた。2017年度は岡山県と島根県の中山間地域で集落調査を実施する予定である。 ③11月に行われた日本村落研究学会のテーマセッション「農山村における“協働”型集落活動の可能性」において、小内がコーディネーターを務め、澁谷が横手市の共助組織について報告を行った。いずれも2年間の成果の1部と用いている。ここでは「“協働”型集落営農」という新しい概念を提起した。そのテーマセッションについては、『村落社会研究年報』第53集として2017年11月に出版(農文協)される予定であり、12月以降は原稿化に向けての作業を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2016年度は、中国地方の2つの地域でアンケート調査を実施する予定であったが、実際には、調査までは至らず、関係者から研究会で専門知識の提供を受けるにとどまった。11月の日本村落研究学会のテーマセッションでの報告とその後の原稿化に時間を取られてしまったためである。ただし、報告の準備と原稿化の過程に集中的に取り組んだことで、2年間の研究に関する中間的なとりまとめを行うことができ、2017年度以降の研究課題を明確にすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
①中国地方の岡山県と島根県での機関調査と集落調査を実施する。できるだけ早く具体的な調査地点を決めるために予備(機関)調査を行い、夏以降に集落調査を実施する。 ②北海道清水町、秋田県横手市での補足調査を実施する。両地域とも、サポートを行っている組織を中心とした調査は終了している。 今年度は、その成果を踏まえ地域住民に側からのサポートシステムの評価について把握することを試みる。 ③これまでの調査成果を踏まえサポート・システムの枠組の検討を行う。本研究では、地域住民の生活過程全体を視野に入れて地域住民の生活を支える仕組みづくり分析するための統一した枠組を提示することを企図している。 ④成果の中間的なとりまとめを行う。
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Causes of Carryover |
中国地方の調査を実施することができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
岡山県と島根県の調査を2年分合わせて行う予定である。
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Research Products
(4 results)