2018 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative Research on Social Inclusion of Minorities and Immigrants in the Era of Post-Multiculturalism
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15K03880
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
岩間 暁子 立教大学, 社会学部, 教授 (30298088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 孝鐘 和光大学, 現代人間学部, 教授 (80230605)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | マイノリティ / ナショナル・マイノリティ / エスニック・マイノリティ / 少数民族 / 移民 / 社会学 / 国際比較 / 多文化主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、移民という「新しいマイノリティ」と「旧来のマイノリティ(いわゆるナショナル・マイノリティ)」の社会的包摂策の関係を国際比較により理論的実証的に明らかにすることであるが、2018年度の成果は次の3点である。 第一に、ソ連・ロシアにおけるマイノリティ概念およびマイノリティ政策の変遷について、新たに入手した資料を用いてより詳細な検討をおこなった。1930年代後半、ペレストロイカ期、ソ連邦解体後の各時期におけるマイノリティと公的にみなされる民族集団やマイノリティ政策の大きな変更の背後には、民族関係、とりわけ「ディアスポラ民族(ソ連およびロシアの外に同族の国家を持っている民族集団)」をめぐる政治的ダイナミズムがあることを明らかにした。 第二に、日本における近代以降のマイノリティのありようを検討するにあたって重要な存在であるコリアンに関して、在日コリアンやサハリン在住コリアンに関する補足的調査をおこなった。 第三に、英語での学術書の刊行に向けて、これまで得られた知見を英語の論文としてまとめるとともに、文献リストの作成を進めた。 研究期間全体を通じて明らかになった知見としては、(1)各国におけるマイノリティ概念の定義、マイノリティとみなされる集団、マイノリティ政策のありよう(国際人権法や国連などで定められているマイノリティの権利の法制化がどの程度なされているのかを含めて)およびそれぞれの変遷には、各国における民族構成や民族関係のありようが反映されていること、(2)新しいマイノリティに対する社会的包摂策の方向性は、旧来のマイノリティの社会的包摂策のありようと密接に関わっていることなどが挙げられる。
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Remarks |
このほかに、放送大学で2020年度開講予定の科目で分担する授業の放送教材(ラジオ番組)のなかで成果の一部を紹介する予定である。
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