2016 Fiscal Year Research-status Report
「入口支援」における触法知的障害者の福祉的支援に関する実証的研究
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15K03916
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| Research Institution | Shimane University |
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Principal Investigator |
京 俊輔 島根大学, 法文学部, 准教授 (60441127)
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2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 知的障害 / 触法障害者 / 入口支援 / 司法福祉 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、触法知的障害者に対する福祉的支援（入口支援）のあり方を検討するものである。
平成28年度は、平成27年度から継続して入口支援を通じて触法知的障害者の受入を検討した障害福祉サービス事業所職員に対する聞き取り調査を実施した。聞き取りにより得られたデータは、定性的（質的）研究法を用いて分析した。障害福祉サービス事業所における触法知的障害者の受入に関するプロセスを「受入を検討する時期」「受入を準備する時期」「受入を開始する時期」に分け、それぞれの時期に見られる支援特性を整理した。特に平成28年度は「受入を準備する時期」の障害福祉サービス事業所における被疑者・被告人の受入準備の構造と支援特性に焦点を当てて分析した、受入準備の構造は「事例の確認とサービスの調整」として明らかにされた。また受入準備における支援特性は「体験利用を通しての利用意思と適応能力の確認」として明らかにされた。
この分析結果は、定性的（質的）研究法勉強会（岡山県立大学 村社卓研究室）にて複数回にわたり報告した。この「受入を準備する時期」の分析結果をもとに、平成28年度は論文「障害福祉サービス事業所における被疑者・被告人の受入準備の定性的データ分析」としてまとめ、『島根大学社会福祉論集』第６号にて公表した。
なお、平成28年度当初予定していた触法障害者の福祉的支援に関する海外調査等一部の調査は、所属機関の業務等により日程調整が困難となったことから平成28年度内での実施を見送っている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要に示したように、日本国内での調査およびデータ分析は順調に進んでいると言える。現在は、これまでの研究結果の比較のための調査等の準備を進めている段階である。一方で海外調査は、当初ニュージーランドでの情報収集を予定していたが、所属機関の新学部立ち上げ準備や家庭の事情等が重なり、日程調整が出来なかったため調査の実施を見送っている。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成29年度前期中に触法知的障害者の受入を検討したことのある障害福祉サービス事業所の職員に対する聞き取り調査を、これまでに実施してきたA県と新たな調査地として都市部のB県にて実施する予定である。聞き取りで得られたデータは定性的（質的）研究法を用いて分析し、分析結果を学科発表および学術論文として公表する予定である。
海外調査は、触法障害者の支援に先駆的に取り組んできた国での調査を平成29年度前期中に実施する予定である。
国内での調査研究の計画変更は特に予定していないが、３年間の研究の最終年度ということを意識し、調査の日程等の調整は柔軟に対応していく。
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| Causes of Carryover |
平成28年度は、所属機関における新学部立ち上げ準備および家庭の事情により、海外での調査等に関する日程調整等が困難であったため、その実施を見送っている。繰り越した分は、平成29年度前期に海外調査または日本社会福祉学会、日本発達障害学会の旅費に充てる予定である。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度未使用額約58万円は、１）聞き取り調査の旅費（大阪府内×３回）約18万円、２）テープ起こし等の調査謝金（10名分×１時間×２回）＝計20回分（単価2,000円／10分）＝24万円、３）質的（定性的）研究法勉強会（岡山県内×10回）16万円として使用する予定である。
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