2018 Fiscal Year Annual Research Report
Factors Influencing Care Managers Sharing and Management of Home-care User Information
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15K03933
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Research Institution | Hyogo University |
Principal Investigator |
石井 久仁子 兵庫大学, 看護学部, 講師 (70735886)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 情報共有 / チームケア / ケアマネジャー / 多職種連携 / 在宅ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
H30年度は、H29年度に実施したインタビューの分析を行った。対象者は3年以上の経験をもつケアマネジャー(以下CMと表記する)とし、半構造的面接調査を実施した。インタビュー内容は、情報共有や情報管理の状況、フォーマル支援者との連携やインフォーマル支援者との協働における情報共有の具体的方法や悩みなどの詳細、情報共有についての考えなど、H27年度に実施したアンケート調査では把握しきれなかった詳細情報について聴き取りを行った。インタビュー内容は逐語録にし、利用者情報の共有と保護に関わる部分を抽出してコード化し、目的に沿って抽象化のレベルをあげながら整理した。分析内容は経験豊富で指導的立場にあるCM2名により妥当性を確認した。 分析の結果、CMはケアチームとの情報共有において、ケアに必要な情報に対する認識の違いや利用者像のずれ、情報管理に関する共通ルールの不足があると感じていることがわかった。また、利用者が地域生活を継続するうえで必要な近隣住民の見守りや協力をめぐり、インフォーマル支援者との情報共有についての悩みがあることがわかった。 利用者情報の共有と保護に関するCMの視点や意識は、ケアマネジメント経験を重ねたり先輩や他のCMのよい支援をみて学ぶ中で変化していた。CMや介護サービス従事者は小規模事業所に所属することが多く、他者から学ぶ機会が少ないことから、今後は所属を越えて情報交換をしたり、指導や助言をする相互支援の仕組みづくりが必要であることが示唆された。本研究で得た知見は、学会誌等への論文投稿などによる社会提言を行うと同時に、CMの研修や職能団体の会合などで伝達していく予定である。現在、今年度の学会誌投稿に向け執筆中である。
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