2015 Fiscal Year Research-status Report
社会的孤立の防止に資する社会関係資本の形成と評価:弱いつながりに関する実証的研究
Project/Area Number |
15K03938
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
山村 靖彦 高知県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (80455089)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 社会的孤立 / 社会関係資本 / 弱いつながり / 支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
国内外および学際的視点からの社会関係資本論(ソーシャル・キャピタル)をめぐる動向や評価について分析検討を行った。計64件の文献を収集し、これらを社会的孤立をめぐる課題に照らし合わせて考察する作業を始めた。アンケート調査の実施については遅れが生じているものの、高知県内4市町からなる地域および対象者12名への支援、対象者へのアクションリサーチは10月より着手し始めた。これらの中間(途中)評価は、支援等を開始して1年が経つ平成28年度の9月に行う予定である。 また、4月に依頼を行った協力者である4市町の社会福祉協議会コーディネーター、民生児童委員、福祉委員(計72名)とは、それぞれが担当する地域で開催される民生委員会等を利用し、本研究に関するミーティングを計16回開催した。 その他、今後の分析につながる本年度の主な活動については、以下のとおりである。 1.地域への支援:対象地域に対し、社会福祉協議会コーディネーターが毎月定期的に実施している「高齢者サロン」、「地区会」等にて、対象者(孤立者)12名への見守り活動や日常のつき合い方に対する協議を行った。2.対象者への支援:研究協力者と協働して、対象者への声かけ(見守り)や「高齢者サロン」への誘い等を行い、主に相談・話し相手としての支援を行ったこれらをアクションリサーチとして位置づけた。 以上、本研究では対象者と信頼関係を構築することが、研究の大前提となっているため、本年度はこのことに留意し、また重視しながら研究を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していたアンケート調査や支援活動の分析等についてを次年度に繰越したため、「やや遅れている」とした。これについては、研究初年度のあたる本年度は調査対象者との信頼関係を構築することが最重要であると年度当初に判断したため、本年度に当初予定していたアンケート調査の依頼等については控えることにしたことが主な理由である。 文献研究については、予定どおり進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
予備調査を実施のうえ、予定どおり本調査を行う予定。 対象地域および対象者への支援、ならびにアクションリサーチについても予定どおり継続していく予定である。 研究協力者である社会福祉協議会コーディネーターおよび民生児童委員へは、次年度も本研究に関すミーティングを毎月開催していくことについて了承を得ている。
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Causes of Carryover |
アンケートによる予備調査を次年度に繰り越したため、それにかかる旅費および人件費・謝金を当初の予定どおり使用しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
年度当初に予備調査を行う予定であるため、それにかかる旅費および人件費・謝金として「次年度使用額」は使用する予定である。
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