2017 Fiscal Year Research-status Report
子ども・若者の貧困とその経験:社会的文脈を組み込んだ分析視角から
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15K03940
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Research Institution | Sapporo Gakuin University |
Principal Investigator |
大澤 真平 札幌学院大学, 人文学部, 准教授 (70598549)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 貧困研究 / 子どもの貧困 / 若者の貧困 / 貧困の世代的再生産 / 貧困とジェンダー / 子どもの経験 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、平成27年度に本科研費において実施した「貧困にあった若者の経験と意識」に関するヒアリング調査の結果を、書籍にまとめ発表した(『子どもの貧困を問い直す』松本伊智朗編、法律文化社、2017年)。本書では、特にジェンダーの観点から貧困にある家庭に育った若年女性の青年期のライフコースを描くことで、貧困の世代的再生産の具体的なプロセスを示すことができた。また、子どもの貧困問題と女性の貧困問題を結び付けるなかで、総体として「貧困」問題を捉える視点を示した。 また、本科研費研究の理論的な枠組みに関する論文を執筆し公表した(「子どもの貧困の経験という視点」『教育福祉研究』vol.22、2017年)。本論文は、テス・リッジをはじめとする「子ども中心の視点」研究を詳細に分析し課題を探る中で、子どもの貧困研究をすすめるうえでの、現段階での方向性について明らかにしたものである。 関連する調査研究として平成28年度に協力実施した北海道庁「子どもの貧困対策計画策定にかかわる子どもの生活実態調査」のデータ処理及び分析と公表を行った。この調査は本科研費で実施予定である「若者生活実態調査」の調査項目の設計の前提となる調査である。この結果を受けて今年度は北海道庁と具体的な「若者生活実態調査」の調査票の検討、決定まで行うことができた。なお、「若者生活実態調査」は平成30年度7月に実施する予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本科研は平成29年度に終了する予定であったが、1年間の期間の延長申請を行った。その理由は、本科研費で北海道庁と協力実施する予定であった「若者生活実態調査」の、その前提となる調査(「子どもの生活実態調査」)の分析公表が遅れたため、調査票の設計が進まなかった点にある。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度7月上旬を目途に、北海道庁と協力して「若者生活実態調査」を実施し、分析、報告を行う予定である。すでに調査票はできており、調査実施個所の選定、依頼を進めている状況にある。
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Causes of Carryover |
本年度に予定していた調査の実施が、年度を越えて遅れたため。本科研はそのために1年間の期間延長を申請している。
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Research Products
(2 results)