2017 Fiscal Year Research-status Report
リジリエンス思考による精神障害者生活支援モデルの開発的研究―国際連携研究を基に―
Project/Area Number |
15K03941
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Research Institution | Hokusei Gakuen University |
Principal Investigator |
中村 和彦 北星学園大学, 社会福祉学部, 教授 (20330673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 薊二 関東学院大学, 人文科学研究所, 研究員 (50133575)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リジリエンス思考 / 精神保健ソーシャルワーク / ソーシャルワーク実践理論 / 精神障害者 / 地域生活支援 / 実践モデル / 社会生態学 / コミュニティ・リジリエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、第一に、「リジリエンス思考 Resilience Thinking 」を日本のソーシャルワーク実践理論研究のなかに具体的に位置づけること、第二に、精神障害者の地域生活支援の実践モデルとして位置づけることにある。 研究推進3年目の平成29年度においては、研究代表者と研究分担者が連携をとりながら、第一の目的については主に研究分担者である秋山が、可能な限り過去の研究成果を辿り、内外の資料を渉猟し、リジリエンスが日本で用いられるようになった出発点から現在までの流れについて整理をおこない、論文化を進めている。第二の目的については主に研究代表者である中村が、精神障害者の地域生活支援の課題を抽出・整理しつつ、東京、広島の関係者へのヒアリングも踏まえ、リジリエンス思考による実践モデルの考え方を整理し、論文化を進めているところである。 いずれも、海外共同研究者であるカナダ・リジリエンス研究センター・所長であるマイケル・ウンガー博士が提唱する社会生態学と社会構成主義に基づくリジリエンス概念に依拠し進めているところであるが、研究代表者である中村が、平成29年11月にカナダ・ノヴァスコシア州・ウルフビルで開催されたマイケル・ウンガー博士によるワークショップに出席する機会を得、現在の研究進捗状況を報告するとともに、今後の研究への具体的アドバイスを得ることができた。 加えて平成30年度が本研究課題の最終年度となるが、平成30年10月27日(土)にマイケル・ウンガー博士を招聘し、「リジリエンス思考と精神保健ソーシャルワーク」をメインテーマにした国際セミナーを札幌市で開催することが確定し、さらに最終のまとめとして研究成果を出版することも決定することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文化の作業がやや遅れている点は否めないが、研究の目的に照らし、リジリエンス思考のソーシャルワーク実践理論への適用、精神障害者支援モデルへの応用について、その枠組みが整理されつつあり、加えて、最終年度の成果のまとめに向け、国際セミナーの開催と出版の具体的計画が立案できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究4年目、最終年度においては、(1)研究成果を具体的にまとめた論文執筆、(2)研究成果を具体的に明示する国際セミナーの開催、(3)それらを通じた報告書、書籍の公刊、(4)研究成果を内外に示すホームページの充実化、(5)他分野・他領域のリジリエンス研究者との「一般社団法人レジリエンス協会」をベースにした研究成果の開陳と交流の深化等の方策により、研究を推進させたい。
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Causes of Carryover |
(理由) 旅費の面において、研究推進に直結する「日本ソーシャルワーク学会」が研究代表者が所属する機関で開催されたこと、研究分担者との東京での研究打合せ会議を他の出張と連結した日程で計画したことにより節減されたことが主な理由である。 (使用計画) 次年度が本研究最終年度であり、研究成果の内外への公表目的で開催する国際セミナー及び、出版を計画しているため、それらの経費の一部として適切に使用したいと考えている。
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Research Products
(2 results)