2018 Fiscal Year Research-status Report
知的障害者の結婚・子育て生活の現状と支援-子育て支援プログラムの検討―
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15K03960
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
田中 恵美子 東京家政大学, 人文学部, 准教授 (10506736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 明子 東京福祉大学, 保育児童学部, 准教授 (00708886) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 知的障害 / 結婚支援 / 子育て支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年9月8日にオーストラリア・メルボルンにある子育て支援研究センターの主任研究員であるキャサリン・ワイド氏を招聘し、東京家政大学の学科シンポジウムの企画とタイアップで国内の3団体(長崎、徳島、神奈川 当初北海道を予定していたが、地震発生のため当日不参加)から実践家及び一部当事者を招いてシンポジウムを行った。シンポジウムの参加者は総勢100名を超え、遠方からの訪問もあり、非常に充実した機会となった。参加者のアンケートからは、海外の知見に触れたこと、また当事者の参加があったこと、さらに日本の実践を知ることができたと、98%の方が満足と回答されたが、10時~17時15分までの非常に長丁場だったのにもかかわらず、内容が盛りだくさんだったのでもう少し時間を取ってほしいというような意見もあった。 翌日9月9日にはキャサリン・ワイド氏を講師として、補助に田中恵美子(研究代表者)が入り、「知的障害のある親の子育て支援に関するワークショップ」を開催した。参加者を20名に限定し、10時~17時まで1日を使っての、ロールプレイなども行う実践的なワークショップとなった。シンポジウムの参加者でこちらへの参加を希望する方も多かったが、ワークショップの性格上、多数の参加を許すことができなかった。可能であれば、今後も継続して実施できるようにしていきたい。なお、当日はオーストラリア子育て支援研究センターの資料を翻訳したCDを配布した。 シンポジウムに関しては報告書を作成し、参加者に配布した。またワークショップに関しては参加者に事前、終了後、終了後3か月とアンケートを行った。この結果については、2019年8月5日からイギリス・グラスゴーで行われる国際知的・発達障害学会にて発表することとなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、分担研究者とともに研究を進める予定だったが、事情により分担研究者の辞退があり、研究協力者の協力を得つつも、研究代表者一人で研究を進めることとなった。そのため、当初予定と異なる環境となり、計画自体の遅れは確かにあった。しかし、当初予定にはなかった海外からの研究者の招聘及びシンポジウムの開催、ワークショップの実施など、日本の研究者や実践家に海外の知見を直接還元できたことは大変意義深かったと考えている。今年度の最終出版を実施することによって、全体としてはおおむね順調に進んでいるといえるのではないだろうか。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの調査結果やシンポジウム、ワークショップの実施を踏まえ、知的障害のある親の子育て支援に関する出版を予定している。出版に当たり、出版社の協力を得ることが重要であるが、幸いにワークショップ開催に当たって資料を翻訳・CD化した際の出版社の協力が得られることになっており、これまでの研究成果をまとめる形で進めていけると思われる。
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Causes of Carryover |
当初予定では海外研修に分担研究者と訪問する予定だったところを、分担研究者の辞退後、研究者を招聘する形に変更したため、旅費の申請が減った分、同時通訳及びブース設置の料金が発生し、全体としては支出額及び支出費目が変更となった。今年度は研究成果をまとめて出版する予定であり、その際の費用として残額を使用する予定である。
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