2018 Fiscal Year Research-status Report
地域を基盤とした多文化ソーシャルワーク実践のためのプログラム及び支援体制の検討
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15K03964
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
門 美由紀 東洋大学, 人間科学総合研究所, 客員研究員 (40732780)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 多文化ソーシャルワーク / 外国人住民 / 生活支援 / 多文化対応力 / 研修プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に続き、神奈川県で複数年度にわたり実施されてきた多文化ソーシャルワーク講座を企画・実施してきた検討委員とともに、これまでの講座企画・実施の振り返りを行った。その結果、地域特性に応じた多文化ソーシャルワークの枠組みを整理し、報告書の作成を始めることができた。また、これまでの日本の関係機関・支援者へのインタビュー調査の一部を踏まえ、外国人支援組織の活動展開をソーシャルワークの視点から捉えなおす試みを行い、文章を執筆した。埼玉県でのアクションリサーチ的なかかわりによる多文化ソーシャルワークの基盤作りの取り組みにおいては、多様な専門職、キーパーソンのかかわりを通したネットワークの構築による、外国人住民への生活支援事例における具体的連携事例が複数見られるようになった。 モントリオール調査については、インタビューデータのテープ起こしを順次行い、分析準備を進めた。 国内の多文化ソーシャルワーク実践者へのインタビューはすべてテープ起こしを終え、分析枠組みの検討に入ることができた。 日本の多文化ソーシャルワーク、多文化対応力に関わる理論・知識・技術、支援事例、支援体制等についての先行文献研究を継続し、分析に向けた準備を進めた。また、カナダの関連文献研究より、多文化ソーシャルワークに関わる価値、理念、歴史的変遷及び影響を与えている出来事等についての整理を引き続き行った。それ以外にも、関連概念、取り組みについてウェブサイト等を検索し、新たな動向と取り組みの把握を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
第一に、平成28,29年度実施の海外インタビューのテープ起こしについて、受諾者事情による実施キャンセルにより自身でテープ起こしを行う必要が生じ、研究の整理・まとめが長期化している。 第二に、国内インタビューのまとめ及び報告書作成作業にあたって、関係者間による検討が長期化したことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度に国内およびモントリオール調査についての整理・分析・まとめを予定している。 多文化ソーシャルワーク実践者へのインタビューの分析を通して、外国人住民への生活支援におけるその成果と課題の明確化と、地域ごとの支援の固有性・普遍性の検討、それを踏まえたモデル化を検討する。神奈川県及び埼玉県での取り組みについては、アクションリサーチ的なこれまでのかかわりを踏まえ、地域を基盤としたプロブラム及び支援体制についての視点からも考察を行う。 カナダのケベック州モントリオールでの2度の調査については、政策・制度・援助及び多文化ソーシャルワークに関わる理論的研究の展開について整理分析を行い特徴を明確化し、日本の実践及び理論構築に向け参照できるようにまとめる。 繰越残高は追加インタビュー実施時の旅費、報告書印刷・製本等に使用予定である。 また、以上の成果を論文として形にする予定である。
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Causes of Carryover |
平成28,29年度実施の海外インタビューのテープ起こしの受諾者事情による実施キャンセルによる計上予算を使用しなくなったことと、国内インタビューの報告書作成の検討長期化による印刷製本費用が次年度に繰越となったことによる。 平成31年度に整理・分析・まとめを予定しており、繰越残高は追加インタビュー実施時の旅費、報告書印刷・製本等に使用予定である。
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