2018 Fiscal Year Research-status Report
高齢生活困窮者の社会的つながりを高めるサポートモデルの開発
Project/Area Number |
15K03971
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
岡本 菜穂子 上智大学, 総合人間科学部, 准教授 (30553565)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
グライナー 智恵子 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (20305270)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 生活困窮者 / 社会的繋がり / 孤立 / 役割 / 高齢者 / 男性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の調査では、東京「山谷地域」及び大阪「あいりん地区」で活動する支援団体が提供するプログラムや、場所へ不定期に集う、65歳以上の単身男性7名へインタビューガイドを用いて半構造化面接を実施した。インタビュー内容は質的帰納法で分析を行った。結果:研究参加者たちは、【一人で孤独に過ごす】【社会役割の喪失】【家族との連帯の解消】【他者との日常的な接触の欠如】を体験していた。集いの場へ参加することにより、【自由に出入りできる場がある】【相互に交流が楽しめる活動の機会がある】【個人的に信頼を寄せられる人がいる】【継続的なコミュニケーションがある】の社会的つながりを有していた。そして社会的つながりにより、【人との付き合い方の拡大】【社会における自分の役割の獲得】【金銭以外の大切なものを発見】【自分の新しい面の発掘】【気心の知れた人との心のつながり】の変化を体験していた。本研究の研究参加者たちは、社会役割や家族との連帯を喪失し、他者との日常的な接触もなく、一人で孤独に過ごしていた。しかしながら、他者からの誘いで集いの場へ参加することにより、自由に出入りできる場ができ、他者との交流が楽しめる活動の機会を得ていた。さらに、集いの場でつながった人との継続的なコミュニケーションや、信頼を寄せられる人を確保していた。彼らは何かしらのきっかけや他者からの紹介で集う場への出入りやプログラムへ参加することにより、新たな社会的つながりを見出し、孤立からの脱出を可能にしていた。 質的調査結果から概念枠組みを検討した上で、調査票を作成した。生活困窮者で一人暮らしをしている人たちを対象に、調査票を用いた対面式調査を東京「山谷地域」及び大阪「あいりん地区」にて実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
教員の欠員に伴い、教育及び学務の業務に大半の時間を費やす必要が生じたため、研究に充てる時間が大幅に少なくなったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終調査を実施した段階であるが、協力施設を募り、可能ならばデータ数を増やし、より客観的な根拠を集める努力をする。
|
Causes of Carryover |
教育及び学務の多忙のため、本年度計画した調査を実施する時期が遅れ、年度末に調査を実施することになったため。
|