2016 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢者に対する睡眠リズムの適正化を促す支援プログラムの開発
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15K03976
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Research Institution | Doho University |
Principal Investigator |
下山 久之 同朋大学, 社会福祉学部, 教授 (30442221)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 認知症高齢者 / 昼夜逆転現象 / 睡眠リズムの適正化支援プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
特別養護老人ホーム入所の認知症高齢者の睡眠リズムの実態を明らかにした上で、昼夜逆転現象の見られる認知症高齢者に対し、睡眠リズムの適正化を促す支援プログラムを開発し、その実践の効果を検証する。 (本研究の具体的な目標) 1.特別養護老人ホーム入所の認知症高齢者の睡眠剤使用状況ならびに睡眠リズムの実態を明らかにする。 2.特別養護老人ホーム入所の認知症高齢者に対する睡眠リズムの適正化を促す支援プログラムを開発し、その効果を検証する。
そのために①高齢者の睡眠リズムの適正化に関する先行研究のレビューを行い、②特別養護老人ホーム入所の認知症高齢者に対する睡眠剤使用状況ならびに睡眠リズムの実態を明らかにするために、名古屋市内の特別養護老人ホームに対するアンケート調査ならびに聞き取り調査を行った。さらに名古屋市内の特別養護老人ホームの協力を得て、昼夜逆転現象の見られる認知症高齢者の睡眠リズムの実態把握をするために非装着型アクチグラフを用いた調査を行った。続いて③特別養護老人ホーム入所の認知症高齢者に対する睡眠リズムの適正化を促す支援プログラムの開発ならびにその効果の検証を行った。②の調査より、特別養護老人ホーム入所の認知症高齢者の睡眠リズムが崩れる要因には、「医療的ニーズが放置されている」「ベッド上にいる時間が長すぎる」「他の入居者からの影響」「日中の活動性の低下」等、複数の要因が抽出された。これを改善するための具体的な介入プログラムを開発し、その改善が見られるかを特別養護老人ホーム入所の利用者に対する支援プログラムの提供を通し、検証を行った。多職種連携等の具体的な改善が為された場合は、認知賞高齢者の睡眠リズムの改善が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特別養護老人ホームからの協力を得て、非装着型アクチグラフ等のデータ収集を行うことが出来た。また睡眠リズムの適正化を促す支援プログラムを開発し、それの効果を検証することが出来た。なお他の施設においても同様の効果を上げることができるかどうかを検証することにより、再現性を高めていくところまでは至っていない。この部分を平成29年度に実施したい。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、平成28年度に睡眠リズムの適正化を促す支援プログラムの提供を行った特別養護老人ホームではない他の特別養護老人ホームにて同じプログラムを提供し、その効果を検証したい。そしてその成果を学会発表し、論文化していく作業を進めたい。
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