2017 Fiscal Year Research-status Report
社会福祉哲学とスピリチュアリティ―ソーシャルワーカーの宗教意識―
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15K03980
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
木原 活信 同志社大学, 社会学部, 教授 (20275382)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | スピリチュアリティ / 社会福祉 / 社会福祉哲学 / 山室軍平 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、福祉の根源としての価値意識、社会福祉哲学と宗教性の関連に焦点をあてた研究である。これまでの研究により、宗教性をいわゆる宗教の組織やその教義ではなく、その未だそれが組織化されていない霊性としてのスピリチュアリティであると定義した。今期は特に、このスピリチュアリティと福祉哲学との関連の検証を、宗教意識を抱いて実践しているソーシャルワーカーの価値観をもとに試みている。つまり、研究対象は、社会福祉哲学の枠組みとスピリチュアリティの関連を理論的に検証することであり、社会福祉事業家の宗教性を歴史的に分析していくことを試みた。その教派性やスピリチュアリティについて思想史的に分析するものである。 昨年に引き続き、同志社大学人文科学研究所キリスト教社会問題研究班の研究の成果とも共同できた。特に、山室軍平などの同志社出身の社会事業家の宗教意識の研究をすすめることができた。さらに、今後はブリストルの孤児院の創設者George Mullerのブラザレン思想についても資料収集がすすみ、またその資料の所在等も目途がたち今後の課題が明らかになってきた。資料収集、探索としては、上記研究題目にかかわる文献調査、国際的な社会福祉哲学の概念の文献調査、文献収集における資料収集の整理、文献レヴューを賀川豊彦記念館、人文科学研究所、同志社大学社史資料室などを中心に探索した。書簡などの宗教、スピリチュアリティにかんする収集調査なども合わせて行った。 研究成果としては、主に、口頭発表で、日本社会福祉学会学会、ソーシャルワーク学会での招聘シンポジウムのなかで、また学術団体等からの招きで、関連する成果の一部を報告することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献収集は概ね順調であるが、分析しなければならない文献の対象が当初予想していたよりも、かなり多いことが判明してきたため、その解題にやや時間がとられていることが理由としてあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた資料をもとに、ソーシャルワーカーの宗教意識を特に、教派による分類をして分析していく予定である。特に、その代表的人物として、イギリスのブリストルで活躍したジョージ・ミュラー(George Muller)の宗教意識と福祉実践について事例分析的に詳細に分析をすすめていく予定である。
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Causes of Carryover |
海外出張などのため
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