2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K03982
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
佐々木 一郎 同志社大学, 商学部, 准教授 (60330651)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 国民年金未納 / データ分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究成果は、国民年金の納付行動やその地域格差について、データから分析したことである。また、老後における国民年金の役割や重要性の理解を促し、年金未納や老後の無年金・低年金を予防するための具体的な方策として、年金クイズを考案したことである。 現在、わが国では、男女ともに平均寿命が80歳を超え、無職の単身高齢者が増加し、老後収入源として国民年金の重要性はますます高まっている。そのいっぽう、多くの年金未納や老後の無年金・低年金が生じている。また、それらには大きな地域格差がある。国民年金の納付は、基本的に20歳から60歳までの40年間にも及び、受給は65歳からである。若年世代ほど、何十年間もの先の遠い将来となり、未納が長期間となった場合には、老後は無年金や低年金のリスクが高まる。しかし、国民年金の意義や役割は、学校教育で学ぶ機会もほとんどなく、若年世代にとって、理解することは容易ではない。なるべく早期の段階で、どのような要因が国民年金未納につながりやすいのか、個別的な要因、社会的な要因、地域的な要因など、多角的な視点から明らかにすることが重要である。また、国民年金のメリット、意義や役割の理解を手助けする年金教育教材の開発も重要である。 国民年金納付の影響要因やその地域差をデータから明らかにすること、さらに、国民年金の有用性の理解を高めるための年金クイズの考案は、年金未納の予防を促すことにつながり、老後の貧困リスクを緩和する効果が期待できると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国民年金納付率やその地域格差の影響要因について、データ分析を行うことができたため。また、年金未納・無年金・低年金を予防するための有効な年金教材として、年金クイズを考案することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り、平成29年度は、新たなアンケート調査やインタビュー調査を行い、データ分析、論文執筆を行う。国民年金納付率の影響要因、その地域格差について、さらに詳細に分析していく。また、人々のサイドからみた国民年金受給のメリットをデータから明らかにし、年金教材開発も含め、国民年金納付率向上のための具体策を提示する。
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Causes of Carryover |
今年度に計画していたWeb調査やインタビュー調査について、次年度に重点実施することにしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度に実施しなかったWeb調査やインタビュー調査等の経費として使用する。
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Research Products
(1 results)