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2016 Fiscal Year Research-status Report

生活困窮者支援におけるフードバンク活動の役割

Research Project

Project/Area Number 15K03985
Research InstitutionBukkyo University

Principal Investigator

佐藤 順子  佛教大学, 福祉教育開発センター, 講師 (80329995)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywordsフードバンク / 生活困窮者等支援 / 韓国 / 社会福祉士
Outline of Annual Research Achievements

平成28年度は研究協力者(小関隆志・明治大学経営学部准教授、上原優子・立命館アジア太平洋大学国際経営学部准教授、角崎洋平・日本学術振興会特別研究員)らと共に、国内外のフードバンクおよびフードバンクから食料を受け取っている生活困窮者等支援団体・施設等の訪問と資料収集・アンケート調査を実施した。
なかでも、韓国のフードバンクは2006年3月の「食品寄付活性化に関する法律」のもと、システマティックに展開されている。その仕組みは、韓国社会福祉協議会がフードバンク事業委託を受けて中央フードバンクの運営主体となり、全国フードバンク寄付食品中央物流センター、市・郡レベルで食品集配等を行う広域フードバンク、区レベルで生活困窮者等支援団体・施設や利用者に提供を行う基礎フードバンクが設置されるというものである。食料を受け取る利用者の資格審査は福祉行政担当者が行い、基礎フードバンクでは社会福祉士が利用者の相談に応じる。さらに、フードバンクは利用者の食料選択の幅が少ないことから、2009年以降はフードバンクにフードマーケットを併設する流れにある。
また、国内ではAフードバンクの協力を得て同フードバンクから食料を受け取っている生活困窮者等団体・施設に対してアンケート調査を実施した。その結果、フードバンクからの食料支援は生活困窮者等団体・施設から好意的に受け取られており、利用者から感謝されているものの、個々の利用者の生活上の変化等について十分に把握されていない現状も窺えた。フードバンクが生活困窮者等支援に効果を持つことを検証するためには、生活困窮者等団体・施設が食料支援を受ける利用者の状況把握と課題について把握し、フードバンクにフィードバックする必要があると考える。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

当初の予定以上に国内外のフードバンクの訪問調査・資料収集を行い、研究成果公開を実施することができた。なかでも、韓国のフードバンク調査をもとに、シンポジストとして韓国・江南フードバンク・フードマーケット美所チーム員 Jang Ji-Duk氏、聖公会フードバンク代表 Kim Han-Seung氏、フードバンク関西理事長浅葉 めぐみ氏を招聘し、平成27年11月27日、日韓フードバンクシンポジウム「生活困窮者とフードバンクの役割――韓国の最新事例から――」を開催することができた。シンポジウムは、学術研究助成基金助成金 基盤研究(C)「社会的排除に対する社会的連帯経済の役割に関する日韓比較研究」(研究代表者 柳澤敏勝)科学研究費補助金 特別研究員研究奨励費「貸付と給付のリンケージ構造の研究」(研究代表者 角崎洋平)も合わせた研究の成果である。
さらに、フードバンクから食料を受け取っている生活困窮者等支援団体・施設を複数箇所訪問し、フードバンクから受け取っている食料をどのような基準で利用者に支援しているか等についてヒアリング調査を実施した。
ヒアリング調査結果を踏まえてAフードバンクの全面的な協力を得て、Aフードバンクから食料を受け取っている生活困窮者等支援団体・施設に対してアンケート調査を実施することができた。
以上のように、当初想定した以上の情報収集を行い、研究成果を得ることが可能となった。

Strategy for Future Research Activity

本研究は平成29年度で最終年度を迎えるが、研究は当初の想定以上に進行している。ただし、フードバンク、食料を受け取っている生活困窮者等支援団体・施設、食料支援の利用者の3者の関係性についてさらに明らかにする必要がある。
食料支援が生活困窮者等支援にどのように位置づけられるかはフードバンクにとっても、フードバンクから食料を受け取っている生活困窮者等支援団体・施設にとっても、日本におけるフードバンクシステムが生活困窮者等支援の枠組みで確立されるためには検討すべき課題であると考えるためである。
これまでの調査結果から、フードバンクから食料を受け取っている支援団体等におけるキーパーソンは社会福祉専門職であることが示唆された。そのため、フランスおよび韓国の調査を追加で実施したい。平成26年に実施したフランス調査では、フードマーケット(エピスリー・ソシアル)に家庭経済ソーシャルワーカーが配置され、利用者と面談を実施し、自立に向けての支援を行っていた。利用者が食料支援を受ける中で生活の困難さから脱却するためのキーパーソンとしての家庭経済ソーシャルワーカーの役割についてヒアリング調査を実施したい。
また、平成27年に実施した韓国調査でも、社会福祉士がフードバンク/フードマーケットに配置され、利用者からの相談に応じている。フードバンク/フードマーケットにおける社会福祉士の具体的な活動事例についてさらなるヒアリング調査を実施したいと考える。

Causes of Carryover

平成28年度はアメリカ、韓国のフードバンク・支援団体調査を実施したため、前倒し請求を行ったが、全額費消できなかったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成29年度は追加調査を実施する予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2016

All Journal Article (3 results) (of which Open Access: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results,  Peer Reviewed: 2 results) Funded Workshop (1 results)

  • [Journal Article] 韓国のフードバンクシステム2016

    • Author(s)
      佐藤順子
    • Journal Title

      佛教大学社会福祉学部論集

      Volume: 14号 Pages: 65,78

    • Open Access / Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] フードバンクが生活困窮者支援に果たす役割:日本とフランスの事例から2016

    • Author(s)
      小関隆志
    • Journal Title

      貧困研究

      Volume: 第16号 Pages: 100,111

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 現物寄付とその評価-米国におけるフードバンクの食料評価を事例として2016

    • Author(s)
      上原優子
    • Journal Title

      会計・監査ジャーナル

      Volume: 2016年10月号 Pages: 86,94

    • Peer Reviewed
  • [Funded Workshop] 日韓フードバンクシンポジウム2016

    • Place of Presentation
      明治大学駿河台キャンパス(東京都千代田区)
    • Year and Date
      2016-11-27 – 2016-11-27

URL: 

Published: 2018-01-16  

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