2016 Fiscal Year Research-status Report
災害時にも適応可能なインクルーシブな地域コミュニティ構築のための総合的研究
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15K03986
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
藤松 素子 佛教大学, 社会福祉学部, 教授 (40261721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 喜弘 佛教大学, 福祉教育開発センター, 講師 (10411109)
西垣 美穂子 明星大学, 教育学部, 助教 (10584493)
岡崎 祐司 佛教大学, 社会福祉学部, 教授 (40257803)
池本 薫規 佛教大学, 福祉教育開発センター, 講師 (50460712)
後藤 至功 佛教大学, 福祉教育開発センター, 講師 (70553080)
塩満 卓 佛教大学, 社会福祉学部, 講師 (80445973) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地域福祉 / 地域コミュニティ / まちづくり / 社会的孤立 / 社会的排除 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究が掲げる「災害時にも適応可能なインクルーシブな地域コミュニティ」とは、日常的に何らかの結びつきを意図的に持つことに努め、その関係性を深めるための仕掛けをもったコミュニティを意味している。いわゆる「制度の狭間」と呼ばれる問題、例えば、高齢者の役割喪失、障害者の雇用の困難性、若者の引きこもり、子どもの不登校、多様な形で進む貧困、孤立した子育て等々の問題は、既存の社会福祉制度のみでは解決が困難である。また、これらの諸問題は「社会的孤立」概念としても説明可能な問題であり、かつ全国各地で顕在化・潜在化している地域福祉課題でもある。 これらの諸課題に対して、何らかの地域的対応を試み、日常的に問題解決に向けた努力をしている地域においては、問題を抱える本人に関わる情報を共有し、必要な支援を行うための社会資源を開発しながら、本人と緩やかに繋がりを持っていることが明らかになってきている。そして、こうした地域においては、災害に見舞われた際に取り残されてしまいがちな人々の支援を可能にする力を維持している。 災害時に顕在化する地域福祉課題は、平常時に潜在化している地域福祉課題と同質性と共通項を有しているといえる。そのため、平常時に地域コミュニティで顕在化している諸問題と共に潜在化している、ないしは潜在化する傾向にある諸問題を明らかにしながら、これらの問題に対処していく方法について検討していくことで、災害時にも誰をも排除しないコミュニティの構成要件を明らかにしていくことが可能となるのである。 この間、大きな災害被害に遭った地域調査に加え、地域コミュニティ構築い課題を有しながらそれに取り組んでいる地域調査を実施し、分析、検討することにより、災害時にも適応可能なインクルーシブな地域コミュニティ構築のための総合的研究を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
地域福祉政策に関する動向と理論的研究、地域防災・減災政策に関する動向分析、地域コミュニティ構築をめぐる現状についての先行研究と動向分析については、各自で取り組み、研究会を通して研究交流を行っている。しかしながら、現地調査実施に際しては、現地受け入れコーディネータとの調整が予定通り進んでいないため。
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Strategy for Future Research Activity |
関西圏における地域調査、被災地における地域調査を進めつつ、本調査の準備、資料収集、分析、研究交流を続けていく予定である。
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Causes of Carryover |
地域調査の実施がずれ込んだため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年度の早い時期に前年度で予定していた地域調査を実施しつつ、今年度の実施予定の本調査を進める予定である。
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Research Products
(2 results)