2015 Fiscal Year Research-status Report
カナダのNPOによる貧困地域支援にみる社会的企業化と市民参加促進の架橋モデル
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15K03988
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
桜井 政成 立命館大学, 政策科学部, 教授 (90425009)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | NPO / 貧困 / 社会的企業 / 社会参加 / ボランティア / カナダ / コミュニティベースドリサーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
1.文献調査 カナダを中心とした貧困地域支援に関する概要(政策的・実践的な実態や課題など)を明らかにするために、文献・資料を収集し分析した。トロント大学他の研究者による反貧困コミュニティ組織化・学習プロジェクト「APCOL」の論文や、ユナイテッドウェイ・トロントの年次報告書などを参考に、トロントにおける貧困問題の状況や、NPO等による問題解決のための取り組み状況、およびコミュニティベースドリサーチの方法について理解を深めた。その他、必要な資料・文献を適宜収集し、今後の研究のために読解を進めた。
2.カナダ現地調査 上記の文献・資料収集を行いつつ、8月から9月にかけてトロント市に10日間滞在し、地域コミュニティベースで社会的包摂を目指すNPOにおける実践について、現地にて訪問調査を行った。主な訪問先および訪問目的は次の通りである。PARC、St, John's Mission、Centre for Social Innovation、STOP Community Food Centrem、Learning Enrichment財団、トロント大学Jack Quarter 教授、コミュニティ財団であるToronto Enterprise Fund、そして社会的企業のネットワークであるSocial Enterprise Torontoである。支援現場を観察する他、関係者への半構造的インタビュー法によるインタビュー調査を行うことで、研究目的に沿った質的なデータとしての情報を得ることを目的とした。
3.会議等出席による資料収集 研究に役立つ先行研究の知識と、将来的なカナダ・日本比較研究のための研究者とのネットワークを獲得するために、研究初年度より積極的に国内外の学会等へ出席した。本年度は日本世代間交流学会、日本福祉教育・ボランティア学習学会、日本NPO学会等に出席した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大きな課題はないものの、本年度(2016年度)より所属先で多忙な役職に就いたため、研究のための時間が十分に取れるかやや不安がある。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の通り、本年度(2016年度)より所属先で多忙な役職に就いたため、研究のための時間が十分に取れるかやや不安がある。これについては、研究達成の目標は据え置きながら、1.調査等は着実に実施しつつ、成果公表の予定のみをやや遅らせるという方向性と、2.現地調査実施は行うものの、その分析を含めて予定を後ろへずらしていく、という二つの方向性のシフトが考えられる。もちろん、予定通りの着実な実施と成果公表が望ましいが、それが難しい場合には、できるかぎり第一の方向性で研究予定を修正できるように追求する。 加えて、上記にも関わるが、現地調査における関係性を構築したキーパーソンの異動等による、研究ネットワークの損失もリスクとしてあがってきている。これについては新たなキーパーソンとの関係構築が必要であるが、それはどの程度可能かどうかは現時点では不明である。できる限りの対応をしたい。
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Causes of Carryover |
第一に、本年度は海外への学会等への参加による資料収集が出来なかったことがあげられる。このことは次年度以降に追加で実施をすることで執行が可能となる。第二に現地調査での執行額が予想以上に少なかったこと(協力者に対する謝礼等)があげられる。これは次年度調査で増額し、充実した現地調査に繋げることができると考える。第三に文献購入、テキスト起こし代等が未執行分が存在することであるこれは急ぎ次年度に執行したいと考える。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
既に上記で述べてしまっているが、海外学会等への参加を追加で実施をする、現地調査での使用額を増額し、充実した現地調査に繋げる、未執行の文献購入、テキスト起こし代等の未執行分を急ぎ執行するなどを方策として検討している。
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Research Products
(6 results)