2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K03992
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
清水 隆則 龍谷大学, 社会学部, 教授 (30278981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 誠人 大谷大学, 文学部, 教授 (00342105)
岩満 賢次 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (00454893)
栗田 修司 龍谷大学, 社会学部, 教授 (10215064)
熊谷 忠和 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (30341655)
八木橋 慶一 高崎経済大学, 地域政策学部, 准教授 (70570349)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ケアマネジメント / 福祉計画 / 福祉情報 / 評価と送致 / シームレスケア |
Outline of Annual Research Achievements |
28年度においては、日本の地方自治体の福祉担当者からの聞き取り調査を行った。そこから、わが国の福祉制度の発展、改変等から、制度が複雑化し、住民への福祉サービスの広報や伝達の課題が増加している点、また対人サービスの基本である切れ目のないサービスの提供の実現のためにより一層、ケアマネジメント体制の構築とその洗練が求められていることが明らかとなった。そこで、28年度の海外調査においては、上記の課題を主たる比較項目として、スイス、ベルギーと英国の前年度と同様の自治体への聞き取り調査を実施した。 スイスの福祉サービスは、予算管理や全体計画は州レベルで行い、実際のサービスは自治体が行っている。スイスのソーシャルワーカー協会を訪問し、その養成につき調査した。 ベルギーでは、自治体の福祉事務所の担当者の案内で、大規模な高齢者ケア施設を訪問した。ボランティアができるレベルの高齢者から100歳以上の高齢者や認知症の方等、総合的なケアを行っている。その方法やスタッフの構成、またケアマネジメントにつき調査した。 英国では、ボンマス市を訪問し、ケアマネジメントの実際について調査を行った。クライエントの把握の方法、アセスメント、ケアの提供と評価、監査等について調査した。リンカーン州庁を訪問し、州全体の福祉サービス計画につき調査した。特に、高齢者と障碍者へのサービスの予算管理が重要である。民間にサービス提供を委託している。したがって、サービス提供機関への監査と質の保障に努めている。 英国の場合、福祉情報を一か所に集めて、効率的な情報提供と関係機関への送致を行っていることが分かった。また福祉人材の確保等についても調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本の自治体がかかえる福祉サービスの課題の把握から始まり、スイス、ベルギー、英国との比較調査を実施したところである。自治体福祉サービスの特徴は、一方で個人の全体にかかわり、一方で国、あるいは自治体の予算や行政計画の一部として機能していることにある。個人の側面では、ケアマネジメントを自治体レベルでどう効率的にまた適切に行うかが自治体の社会福祉行政の大きな課題である。また、その行政管理の面では、適切な全体予算の組み方とその執行が課題である。その面で、今回の日本と3か国との比較は、研究課題・目的にそった研究が適切に実施できたといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
日本の自治体の社会福祉行政の問題点と課題をより明らかにして行く。 スイスとベルギーでは、州と基礎自治体の役割分担をより明確にしたい。また具体的な自治体サービスの実際について調査する予定である。 英国については、ケアマネジメントの実際についてとその実施上の問題点について、現地調査を行いたい。また、福祉サービスの全体計画と予算の作成過程をより詳しく調査する予定である。 そして、それらの日本の自治体との比較を行う。
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Causes of Carryover |
通訳業を現地の人に依頼したため、予定した金額より若干、安くついため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
通訳業務にかかわる謝金に使用する予定である。
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