2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K03992
|
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
清水 隆則 龍谷大学, 社会学部, 教授 (30278981)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 誠人 大谷大学, 文学部, 教授 (00342105)
岩満 賢次 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (00454893)
栗田 修司 龍谷大学, 社会学部, 教授 (10215064)
熊谷 忠和 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (30341655)
八木橋 慶一 高崎経済大学, 地域政策学部, 准教授 (70570349)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 高齢者福祉 / ケアマネジメント・システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、収集した海外の資料の整理を行い、一部、日本の自治体福祉との比較を行った。具体的には、英国の自治体の高齢者福祉、特にケアマネジメント・システムの翻訳と解析を進め、それと日本の自治体介護福祉のケアマネジメント・システムとの比較を試みた。英国では、障碍者も含めた成人ケアの一環として、高齢者の介護問題を考えているが、日本ではあくまで介護問題は介護ケア中心にとらえられている点が特徴である。したがって、英国では高齢者ケアは、福祉の、さらには生活の一環として取られやすいが、日本では、むしろ医療の一環として把握されやすいと考えられる。また英国では、クライエント中心に介護等の生活支援を組み合わせるが、日本では、ケアマネジメントが断片化され、介護事業の遂行が自己目的化されやすい傾向が見られる。また英国のケアマネジメント・システムは、総合相談から計画、実施と評価まで、一貫性と体系化が明確化されている点に特徴がある。特に総合相談では、介護だけではなくあらゆる相談が受け付けられるとともに、相談後の対応が具体的に体系化されている。さらに、ケア計画や実施においては、クライエントの自主性と自己決定が尊重される工夫が組み込まれており参考に値する。その際、特筆すべきは、単に自己責任が強調されるだけではなく、適切な自己決定ができるように自治体がどのようなアドバイスや支援ができるのか、その点が明確化されていることが重要である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
収集した海外の資料の整理を行っており、特に高齢者福祉に関してある程度、日本と比較可能なまで研究が進んでいる。日本での調査も調査対象自治体の協力によって、資料の収集と自治体職員に対する情報交換やデスカッションも順調に行っているところである。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、障碍者福祉と児童福祉関係の比較のための研究を進める。特に平成30年度は、研究の最終年度でもあり、海外での調査研究に力を入れ関係機関の協力のもと資料収集とその分析を進め研究のまとめを行う予定である。その際、海外自治体福祉の運営上の工夫や問題点などを関係者から聞き取り調査等により収集・分析することによって、日本の自治体福祉に役立つ研究成果を上げるべく務める。
|
Causes of Carryover |
研究計画を一年延長したため。平成29年度に請求した助成金のほとんどを平成30年度において本研究のために使用する予定である。具体的には、海外現地調査のための渡航費用がそのほとんどを占める。
|