2016 Fiscal Year Research-status Report
Investigating the organizational capacity of older volunteers program
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15K03999
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
陳 礼美 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (40510160)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高齢者 / ボランティア / 組織能力 / 尺度 / 老年学 / 社会参加 / 高齢者福祉 / アメリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
当研究は、高齢者のボランティアで形成されている福祉系活動組織の組織能力について分析することを目的としている。 はじめに、2008年にアメリカで実施された組織能力の研究で用いられた調査票を英語から日本語へ翻訳し、その翻訳版「組織能力」の尺度の妥当性と信頼性を検証した。全国にある高齢者の生涯学習に関わる運営・管理者145名(16校)を対象に、配布調査法により実施した。有効回収数は90、有効回収率は62%であった。 翻訳版の尺度の有用性は得られた。日米における組織力の因子を見たところ、日本では7つ、アメリカでは8つの因子で形成されていることがわかった。また、今回の研究結果では、日本独自のカテゴリーが抽出されている。このカテゴリーには、ボランティアがさらに貢献度をあげるために特別に組織が設けているような内容になっていることから、「パフォーマンスの最適化 Performance Optimization」と名付けた。日本は、アメリカのようにボランティアの功績を讃えることでボランティアのモチベーションを上げず、その代わりに、良いフィードバックを出す、車の送迎を含む移動手段の支援、健康状態が悪くなったボランティアへの配慮をすることでボランティア評価を行っていると考察する。 引き続き、翻訳した調査票は、高齢者ボランティア団体を組織している2団体から協力を得て、会員523団体に郵送配布で調査を行った。有効回収率は22%(117)であった。進捗状況は当初の予定よりやや遅れており、年度末時点で目標データ数の200の取得には至っていなかったため、今後の研究遂行に力を入れたい。 「組織能力」の尺度について、アメリカの老年学会と北京大学の学会で発表は行っており、研究代表者が過去に行った本研究と関連する研究結果を基に依頼原稿(高齢者ボランティアと組織能力)の執筆を行い、図書として出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた調査票の有効回収数が得られていないため、新たに調査協力団体へ依頼を実施することに時間を要し、データ入力作業やフィールドワークを今年度中に実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
迅速にデータ収集を終了し、データの量的分析を行い、結果を発表する。また、データの中からベストプラクティスを行っている団体に個別インタビューを行う。
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Causes of Carryover |
調査票の回収が予定通り進まなかったため、予定していたデータ入力ならびにフィールドワークを実施することができなかったため、未使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ入力にかかる費用(人件費・謝金)ならびにベストプラクティスを行っている団体へフィールドワークを行うための費用(旅費)に充てることとする。
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