2015 Fiscal Year Research-status Report
スウェーデンおける福祉国家型社会的企業についての研究
Project/Area Number |
15K04003
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Research Institution | Kansai University of Social Welfare |
Principal Investigator |
藤岡 純一 関西福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (70165356)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | スウェーデン / 労働統合型社会的企業 / 福祉国家 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の課題は、スウェーデンの福祉国家型社会的企業についてその特徴を検出することである。 平成27年度には、社会的企業についての理論的考察とその現状の包括的把握のために、スウェーデン・セデルテルン大学のストルイアン教授と意見交換し、スウェーデン成長庁(tillvaxtverket)と、各公的部門共同の労働統合型社会的企業についての情報提供機関であるソフィサム(Sofisam)を訪問して聞き取りを行うことを課題としていた。 平成27年度8月22日から9月4日までストックホルムに滞在し、所期の目的は達成された。訪問したのは、セデルテルン大学、スウェーデン成長庁内のSofisamのみならず、労働統合型社会的企業(WISEs)であるヨッブヴェルケット(Jobbverket)、エクスパンディアビジョン(Xpandia Vision)、バスタ(Basta)、中間支援組織のコムパニオン(Coompanion)そしてハニンゲ市(Haninge kommun)と社会保険庁(Forsakringskassan)等であった。 これらの訪問によって、スウェーデンの労働統合型社会的企業が長期失業者や障がい者等に対する雇用訓練・リハビリテーションなどのサービスを公的部門に販売するとともに、生み出された財・サービス等を市場で販売するという2重の販売活動を行うものとして位置づけられていることが明らかになった。ここで公的部門とは、コミューン(市)、職業安定局(arbetformedlingen)、法務省などである。また、EUの構造基金も利用されている。そして市場へ販売する財・サービス等には、パンとケーキ、手工芸品、ホテル業、カフェだけではなく、経営のノーハウや経理業務なども含まれている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた通りに、平成27年度においてストックホルムを訪問して、ストルイヤン教授と会談して、かつ労働統合型社会的企業の支援機関であるSofisamにおいて近年の動向を把握することができた。また、ストックホルム市近辺の労働統合型社会的企業において訪問調査を実施した。このことによって、労働統合型社会的企業がスウェーデンでどのように特徴づけられているかを把握することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
イェテボリ大学の研究者と意見交換するとともに、スウェーデンで労働統合型社会的企業の最もめざましい展開が見られるイェテボリ市とその周辺の労働統合型社会的企業、そしてそれらに対する支援組織であるイェテボリ市社会資源課で聞き取り調査を行うこと、過疎地域において労働統合型社会的企業がどのような役割を果たしているかを研究するという課題が残されている。
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Research Products
(1 results)