2017 Fiscal Year Research-status Report
住民の主体形成に寄与するコミュニティワークの展開過程と記録方法の開発に関する研究
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15K04008
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
渡辺 晴子 広島国際大学, 医療福祉学部, 准教授 (90326091)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コミュニティワーク / 住民主体 / コミュニケーションプロセス / ナラティヴ / 記録 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の研究実績として、①「住民とコミュニティワーカーのコミュニケーションプロセスの記録化」に関する調査の分析および考察、②「住民とコミュニティワーカーのコミュニケーションプロセス」に関する参与観察およびインタビュー調査の実施、③「コミュニティワークとナラティヴ・アプローチ研究会」の開催、④日本社会福祉学会第65回秋季大会における中間的な研究結果の発表などがあげられる。 ①「住民とコミュニティワーカーのコミュニケーションプロセスの記録化」に関する調査の分析および考察について、A市社会福祉協議会のコミュニティワーカーらの参加・協力を得ながら、住民(地域福祉活動の代表者)とコミュニティワーカー(A市社会福祉協議会の地区担当職員)のナラティヴにもとづき、コミュニティワーク実践における両者のコミュニケーションの実際を描き出すとともに、住民主体の形成に影響を与える要素を明らかにした。 ②「住民とコミュニティワーカーのコミュニケーションプロセス」に関する参与観察およびインタビュー調査の実施について、NPO法人による住民参加型の地域学習活動、住民組織である自治会を母体とする共同売店の活動を対象として、各活動の代表者に対するインタビュー調査および前者については地域学習活動に参加した高齢者に対するグループインタビュー調査を実施した。 ③「コミュニティワークとナラティヴ・アプローチ研究会」の開催について、主に①の調査の分析および考察を行った。また、加納恵子氏(関西大学/教授)から「ナラティヴ研究における当事者コミュニティの理論的枠組みについて」をご報告いただいた。 ④日本社会福祉学会第65回秋季大会における中間的な研究結果の発表について、「住民とコミュニティワーカーのコミュニケーションプロセス-コミュニティワークをめぐる両者のナラティヴをもとに-」(口頭発表)を報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
その理由は、本研究の最終段階として、「住民とコミュニティワーカーのコミュニケーションプロセスの記録化」に関する調査の分析結果をふまえた上での、住民の主体形成を促進するコミュニティワーク記録方法に関する考察が完了していないことである。 その原因は、研究代表者が私的事由により十分な研究時間を確保できなかったこと、複数の連携研究者が職場の移動、退職をしたこと、「住民とコミュニティワーカーのコミュニケーションプロセスの記録化」に関する調査の分析において調査協力者のコミュニティワーカーらとの共同作業に予想以上の時間を要したことなどである。
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Strategy for Future Research Activity |
補助事業期間の延長が承認されたことから、平成30年度はあらためて①「コミュニティワークとナラティヴ・アプローチ研究会」を開催し、②コミュニティワーク実践における住民の主体形成を促進するコミュニティワーク記録方法の体系化に取り組むことを計画している。また、③日本地域福祉学会第32回大会(2018年6月)などの関連学会における口頭発表、学術雑誌への論文投稿など、研究成果の報告を予定している。
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Causes of Carryover |
その理由は、平成28年度までの研究計画の変更にともなう前年度未使用額185,528円に加え、平成29年度において「コミュニティワークとナラティヴ・アプローチ研究会」を計画どおり開催することができなかったことである。 次年度使用額354,681円の使用計画として、①コミュニティワーク実践における住民の主体形成を促進するコミュニティワーク記録方法の体系化に取り組むために「コミュニティワークとナラティヴ・アプローチ研究会」を開催すること、②これまでの研究成果を報告するために日本地域福祉学会第32回大会(2018年6月)などの関連学会に参加することを計画している。
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Research Products
(2 results)