2018 Fiscal Year Research-status Report
障害者虐待に関する国際研究~日本・アメリカ・フィンランドの比較~
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15K04009
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
増田 公香 横浜市立大学, 国際総合科学部(八景キャンパス), 教授 (60316776)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 障害者虐待 / 支援者 / 労働環境 / 支援アセスメント / 英語版虐待アセスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は以下の点を実施した。 第一に、ミネソタ大学の障害福祉研究センターの研究者たちと情報交換を行い、当事者の視点も加味した障害支援に関するマニュアルの情報及び支援のアセスメントに関する情報を入手した。今後日本におけるアセスメント作成を展開したいと考えている。 第二に、アメリカカリフォルニア州において障害のある当事者及びその家族に対しての英語版障害者虐待質問項目を作成しプレテストを実施した。今後はこの英語版障害者虐待実態把握を用いアメリカ及びフィンランドにおいて当事者及びその家族に対しての実態把握を展開したい。 第三に、日本国内の障害者支援事業所において支援者の労働環境と障害者虐待の関連性の実態把握を行った。具体的には日本全国2,192事業所に対し各事業所5名、合計1,0960名に対してアンケート調査を実施した。職種の内訳は、各事業所の管理職に1名・実際に支援に携わっている方4名に対し調査を依頼した。その結果、3,032名から有効回答(回収率27.7%)が得られた。有効回答の結果は、平均年齢は41.7歳(±11.45)で、性別でみると男性1,581名(52.2%)・女性1,441名(47.8%)であった。「あなたの職場で支援する中で困っていることはどのようなことですか。」に関しては、「人手(職員)不足」が多かった。また「あなたの職場で改善をして欲しいことはどういうことですか。」に対しては、「給与」「人員体制」「職員数の増加」が挙げられた。これらの結果から、障害者支援事業所の支援の現場では職員数不足及び給与体制への不満の実態が浮き彫りとなった。また「あなたの利用者への不適切な行為について見たり聞いたりしたことの有無」については「ある」が多かった。今後障害者支援においては支援者の労働環境改善が喫緊の課題であるといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた調査が先方との連絡調整に手間取り、調査実施が大変遅れた。その結果、現時点では学会発表及び論文作成等の成果報告が展開できていない。また海外における調査に関しては、先方との連絡調整に支障をきたし展開が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策としては、以下の点を挙げる。 まず、日本においては当事者の方々への実態把握を行いたい。また海外に関してはアメリカにおいてアメリカのネイティブ及び家族への調査を展開したいと考えている。さらにフィンランドにおいても調査を展開したいと考えている。しかしながら、フィンランドにおける実態把握が困難な場合は国を変更して展開したいと考える。
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Causes of Carryover |
当初予定していた調査研究が先方との連絡調整等において計画通りに展開しなかった為次年度に計画している。
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