2017 Fiscal Year Annual Research Report
The moderator and/or mediator effects of allowance toward exclusion / aggression behavior of in-groyp members
Project/Area Number |
15K04023
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
礒部 智加衣 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (20420507)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 受容と排斥 / 集団アイデンティティ / 集団評価 / 集団特徴 |
Outline of Annual Research Achievements |
1つ目の検討では、他者が拒絶されている場面で周囲の人が拒絶行為に加担するのか、それともその行為を非難するのかによって、人がどのようにその場面を捉え、対応するのかを検討した。81名の大学生を対象に場面想定法の調査を行った。その結果、周囲の人が拒絶行為に加担しなければ、拒絶として認知されにくいことが確認された。しかし、周囲の人の行動は、援助行動レベルには違いを及ぼさなかった。組織市民行動は援助行動と相関があったが、他者の組織市民行動の認知と援助行動には相関が認められなかった。 2つ目の検討では、迷惑行為をおこなった成員(内集団成員-外集団成員)を受容するかどうかに、その成員が所属する組織の対応(補償行動の有無×罪悪感-恥)がどのような影響を及ぼすかを検討した。Web調査を用いて、会社員600名(分析対象575名)に、場面想定法による調査を実施した。結果は、内集団の成員の逸脱行為に対し、組織が罪悪感を示しつつ補償行動をとらないとした場合に、内集団評価が最も低いことが示された。また、外集団成員の逸脱行為に対し、その組織が恥よりも罪悪感を示し補償行動をとらないとしたときに、内集団アイデンティティが高いことが示された。さらに、逸脱行為を行った人々に対する受容については、外集団よりも内集団成員への受け入れが高いことが示された。この傾向は公団勤務の参加者において認められていた。 3つ目の検討では、内集団ひいきをする人に対する、受容-拒絶過程について検討した。内集団ひいきは、集団にとっては有益な対象である一方で、不公正な行動でもある。55名(分析対象者50名)を対象に最小集団パラダイムを用いた実験を行った結果、統制条件よりも高地位条件において、内集団ひいきをする人は受容されにくいことが示された。また、高地位集団条件のほうが統制条件よりも、集団が補償すべきではないと考えていた。
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