2016 Fiscal Year Research-status Report
インターネット利用行動の規定因に関する研究:ネット上の他者との関係に着目して
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15K04028
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
中山 満子 奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (30235692)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | インターネット利用行動 / 情報検索 / 確証バイアス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度には、本課題における3つの研究テーマのうち、(1)「つながり感覚」尺度の試作と、(2)ネット利用における確証バイアスの影響についての実験を行った。 (1)本課題の主要なテーマである「つながり感覚」について、特に今日特徴的なメディア・コミュニケーションであるTwitterに着目し、利用に伴うつながりの感覚と、それがもたらす帰結について検討した。つながり感覚として、「共感・共有」因子、「他者の存在認知」因子が得られた。また、利用からつながり感覚を経て、承認欲求の充足などの効用が得られることが確認された。試作した尺度は、Twitterに特化したものであったので、今後はさらに検討・改良を行う予定である。 (2)人はもともと持っている態度に沿った情報を集めようとするのではないかとの仮説に従って、女子大学生22名が参加して、「子宮頸がんワクチンの接種」に対する態度に、ネットでの情報収集が及ぼす影響を調べる実験を行った。実験参加者は実際に、web上で自由に情報収集を行い、情報収集の前後で態度が変容するか、変容した群としなかった群では、収集した情報やそれに対する重要度の認知に差があるかどうかを分析した。実験の結果、情報収集前後で態度が変容した人が8名、変容しなかった人が14名であった。変容した人には、最初に接触した情報の影響を強く受ける初頭効果が見られた。変容しなかった人は、自分の持っていた態度と異なる方向の情報であっても自分の態度と一致していると認知する傾向が見られ、自分の態度の正しさを確証しようとしていることが示唆された。 今後は、つながり感覚尺度の改良し、計画にあげている愛着傾向との関連の検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
もっとも難しいと予想していた確証バイアスに関わる実験を実施できたので、今後さらに、つながり感覚と他の変数との関連の検討を行うことで、申請時に予定していた研究を実施することが出来ると予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
確証バイアスについての実験データを、さらに詳細に分析し論文化する。またつながり感覚尺度を改良し、他の変数との関連を調べる調査を実施する。
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Causes of Carryover |
学会発表の旅費を計上していたが、今年度は本課題についての発表を行う機会がなかったために旅費の支出がなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
複数の学会にエントリーすることを予定しており、旅費として使用する。またデータ英語論文化を行うために、校閲費用等で使用する予定である。さらに調査は出来る限り大規模なweb調査を実施したいと考えており、調査委託費用として使用する予定である。
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