2018 Fiscal Year Annual Research Report
Attitudes towards paranormal phenomena and education of psychology
Project/Area Number |
15K04038
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Research Institution | University of the Sacred Heart |
Principal Investigator |
小城 英子 聖心女子大学, 文学部, 准教授 (60439510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 浩之 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 准教授 (70340627)
川上 正浩 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 教授 (40242789)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 不思議現象 / 態度 / 批判的思考 / 精神的健康 |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトは、不思議現象に対する態度と批判的思考ならびに精神的健康との関連を解明することであった。2018年度は、不思議現象に対する態度によって「信奉層」「娯楽的享受層」「盲目的信奉層」「盲目的懐疑層」「批判的懐疑層」「無関心層」の6群に類型化し、真に批判的思考を獲得した上で、不思議現象に対しても知的好奇心を持ち合わせる「批判的懐疑層」と、一切の情報処理を回避して全否定する「盲目的懐疑層」とに分離することに成功した。 当初は「信奉層」において精神的健康が低いことが予想されたが、精神的健康や幸福感と不思議現象に対する態度との間に明確な関連性は見出されてなかった(坂田・川上・小城,2017;川上・小城・坂田,2018; 小城・坂田・川上,2018a)が、下位概念においては「スピリチュアリティ信奉」とレジリエンスの間に正の関連が認められ、「盲目的懐疑層」においてレジリエンスが低い傾向が認められた(坂田・川上・小城,2018;小城・坂田・川上,2018b)。すなわち、神仏の信奉がレジリエンスを高める一方、「盲目的懐疑層」はレジリエンスが低いためにストレス状況に陥ることを恐れており、不安や恐怖の発信源となり得るものを全面的に拒否することによって防衛している可能性がある。 一方で、結果としての精神的健康や協調的幸福感に差が認められなかったのは、各層がそれぞれに適したやり方でウェルビーイングを維持しているためと推測されるが、そのメカニズムは未だ解明されていない。また、何か(誰か)に強い情緒的関与を持ち、そのことで日々の活力や心の平和を得たり、あるいは病的に依存して逃避したりするメカニズムはファン心理と共通しているが、ファン心理研究の知見(小城,印刷中)に倣えば、ウェルビーイングと病的な依存とを分ける要因としてアイデンティティ形成が関連している可能性がある。
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Research Products
(5 results)