2015 Fiscal Year Research-status Report
終末期ケアにかかわる動物看護師のコミュニケーションと感情労働
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15K04043
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| Research Institution | Yamazaki Gakuen University |
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Principal Investigator |
新島 典子 ヤマザキ学園大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70422350)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 動物看護師 / 飼い主 / 死生観 / ペット / 高齢者 / 終末期ケア / コミュニケーション / 喪失 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、全国の動物病院の最前線で飼い主に対応する動物看護師（Veterinary Technician, 以下VT）を対象に、１．ペットの終末期ケアの実態とVTのケア観、２．ケアの決断・実施に際し増加する高齢飼い主との間で生じる諸問題の把握を通じて、飼い主と獣医師とを媒介するVTの感情労働の現状を示すことにある。また、国家資格化が推進されつつも離職率の高さが憂慮されるVTを対象に行う調査を通じ、超高齢社会の日本で、より適切な終末期ケアが高齢飼い主と動物に供され得るという意義がある。
研究初年度である本年度は、動物看護師がどのような終末期ケアに従事しているか、高齢飼い主との関わりにおいてどのような諸問題を抱えているのかを理解するために、終末期ケアや飼い主の死生観、喪失体験からの回復、動物のいのちのとらえられ方に関する関連書籍や先行論文などを中心に、情報の整理に取り組んだ。その成果を著書（共著）や国際学会で発表した。また、予備調査の実施や調査票の作成、さらに調査対象者の抽出を含む調査実施に向けた準備諸作業に着手した。まず、予備調査の実施に向けて、調査票で用いる設問と選択肢を検討するため、文献資料を参考に予備調査票の作成および聞き取り調査の実施に着手した。予備調査対象は、本学卒業生や本学教員の知己の動物病院の協力を得ている。あわせて、研究代表者の所属機関長（多数のVTを擁するNPO法人動物衛生看護師協会会長）が所有する全国各地の多世代のVTを網羅する会員名簿と卒業生名簿を元に調査対象者の抽出に着手した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、動物看護師がどのような終末期ケアに従事しているか、高齢飼い主との関わりにおいてどのような諸問題を抱えているのかを理解するために、予備調査の実施や調査票の作成、さらに調査対象者の抽出を含む調査実施に向けた準備諸作業の一環として、終末期ケアや飼い主の死生観、喪失体験からの回復、動物のいのちのとらえられ方に関する関連書籍や先行論文などを中心に、情報の整理に取り組んだ。
本年度は、資料収集分析と平行して予備調査を完了する予定にしていたが、本科研費の申請時以降、関連情報が増えたため、当初の想定以上に資料整理や分析に時間と手間を要し、他には調査対象者の抽出と一部予備調査に着手するのみで、初年度が終わる結果となった。ただし、他の研究者との情報や意見交換には力を尽くした。例えば、動物愛護社会化推進協会主催の公開シンポジウム「高齢者とペット」に登壇し、当事者の抱える諸問題やそれを引き起こす社会背景について、日常的に高齢飼い主に対峙する獣医師やケアマネジャーらと意見交換をし、動物看護師や高齢飼い主のニーズの把握等を心掛けた。
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| Strategy for Future Research Activity |
次年度は、予備調査を完了させ、最適な質問リストを用いた本調査実施を考えている。初年度の遅れについては、調査発送作業の合理化などを交渉し、極力挽回出来るよう努めたい。
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| Causes of Carryover |
本年度は、資料収集分析と平行して予備調査を完了する予定にしていたが、本科研費の申請時以降、関連情報が増えたため、当初の想定以上に資料整理や分析に時間と手間を要し、初年度を費やす結果となった。また、学内の他業務が多く、研究に充分な時間や労力は割けなかった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、予備調査を完了させ、最適な質問リストを作成の上、本調査の準備・実施を手掛けたい。初年度の遅れについては、調査発送作業の合理化などを交渉し、極力挽回出来るよう努めたい。
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