2017 Fiscal Year Research-status Report
終末期獣医療における獣医師のコミュニケーションスキルとストレス調査
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15K04047
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Research Institution | Osaka University of Commerce |
Principal Investigator |
杉田 陽出 大阪商業大学, 経済学部, 准教授 (60268290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲田 菜穂子 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (90368415)
入交 眞巳 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (70453511) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 終末期 / 獣医療 / コミュニケーション / コミュニケーションスキル / ストレス / 獣医師 / 動物看護師 / 調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度行った質問紙調査の経緯を実施報告の形にまとめ、2018年2月発行の大阪商業大学論集上に発表した。この実施報告では、調査の目的、調査対象者の抽出方法、質問紙の作成方法、調査の実施方法、回収率、さらに回収率を上げるために行った工夫とその結果、調査実施後に判明した問題点をまとめた。回収率を上げる工夫として、調査の実施時期は動物病院の繁忙期を避ける、回答の返送を促すハガキを送付するなどしたものの、回収率は以前の調査に比べて低下した。判明した問題点として、今回の調査では1軒の動物病院に獣医師用と動物看護師用の2種類の質問紙を郵送したところ、病院規模を判断するために設けた従業員数に関する質問に対して、同じ病院であるにもかかわらず、両者の回答数が異なるというケースが少なからず見られた。データ解析時にこれをどう判断し処理すべきかという問題が生じたが、データクリーニングを行った28年度の時点では解決策が見つからなかった。今回の実施報告をまとめる過程で1つの対処策を思いつき、解析用のデータセットを整理し直した。 質問紙調査の実施報告の作成と発表に加えて、今後執筆する論文のテーマや調査データの解析方法を決定した。質問紙には複数の研究テーマに関する質問を盛り込んでいるため、そのテーマ別に論文をまとめることも可能である。論文のテーマ決定に伴い、各テーマに関連する研究資料を収集し整理した。 また、10月には獣医療コミュニケーションに関する研究会を開催した。今回で4度目の開催になるこの研究会は、研究者だけでなく動物病院スタッフや一般の飼主にも発表してもらい、お互いの意見交換や相互理解の場を設けることを目的としている。今回は「ペット-飼主-動物病院スタッフのよりよい関係性を目指した『場』の提供の試み」というテーマの下、バラエティーに富んだ演題発表や活発な意見交換が行われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者の体調不良及びそれに伴う通院・入院等により、29年度の研究計画を予定通り遂行し、全てを完了させることが難しくなった。例えば、質問紙調査のデータ解析を行い、その知見をまとめる作業や、獣医師や動物看護師へのインタビュー調査などが滞っている。このため補助事業期間を1年延長し、やり残した29年度の研究計画を30年度に行うことにした。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、29年度に引き続き、質問紙調査のデータ解析を行い、その知見を論文にまとめる。質問紙には複数の研究テーマに関する質問が盛り込まれているため、そのテーマ別に論文を執筆する予定である。完成した論文から国内外の学術雑誌に投稿すると同時に、学会報告の準備にも取り組む。次年度中にまとめられなかったものについては、補助事業期間終了後も引き続き作業を進める。また、この論文執筆に関わる一連の作業の一環として、それに必要な研究資料を随時収集していく。 次に、許可を得ることができた獣医師と動物看護師にインタビュー調査を行い、その結果をまとめたデータセットを作成する。本研究でインタビュー調査を行う主な目的は、質問紙調査で明確にできなかった点や不足していると思われる点を補うためである。よって、インタビュー調査の質問の決定や調査の実施の時期は、質問紙調査の知見がある程度得られてからになる。できれば質問紙調査のデータ解析結果は7月までにまとめ、8月~9月にインタビュー調査を実現させたいと考えている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、研究代表者の体調不良及びそれに伴う通院・入院等により、29年度の研究計画を予定通り完了させることができなかったためである。 次年度は、滞っている29年度の研究計画である、質問紙調査のデータ解析で得られた知見を論文にまとめ、国内外の学術雑誌に投稿することや、獣医師や動物看護師にインタビュー調査を行うことを計画している。次年度使用額は、この研究活動にかかる謝金や交通費に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)