2015 Fiscal Year Research-status Report
自己決定的な登校への動機づけは「登校したくない気持ち」を低減し,欠席を抑制するか
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15K04058
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
五十嵐 哲也 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (90458141)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 登校への動機づけ / 不登校傾向 / 自己決定理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,小中学生の登校への動機づけが,登校への意識ならびに実際の登校状況に対していかなる影響を及ぼすのか検討することを目的としている。さらに,その際,個人や環境の状況によって,その影響性はどのように異なるのかを明らかにすることも目的としている。研究初年度となる当該年度においては,まず,自己決定理論に基づいて小中学生の登校への動機づけを整理し,測定することのできる尺度開発を目的とした。 そこで,まず,尺度項目案を作成するための予備調査を行った。予備調査の対象者は,臨床心理士有資格者の大学教員3名であり,いずれも小中学生を対象とした心理臨床実践ならびに研究の経験がある者であった。自己決定理論の概要,ならびに類似先行研究における項目例等を参考資料として提示し,各自の自由記述によって項目を収集した。その後,収集された項目の類似度や一致度等について再度検討してもらい,最終的に27項目に集約された。 その後,これらの項目案の信頼性ならびに妥当性を検証し,登校への動機づけ尺度を開発するため,本調査を実施した。調査対象者は,2つの公立小学校4~6年生ならびに2つの公立中学校1~3年生に在籍する878名である。なお,基準連関妥当性の検証のため,自己決定意識尺度(新井・佐藤, 2000)を同時に調査した。現在,本調査結果の因子構造等の分析を推進している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,予備調査ならびに本調査が進展している。ただし,次年度以降の調査用紙の作成,ならびに調査協力校については今後の検討となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,登校への動機づけ尺度の因子構造の解明,ならびに信頼性・妥当性の検証を行うとともに,その動機づけに影響を与える「個人要因」「環境要因」の推定を行い,次年度以降に実施する調査用紙の作成を進める。
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Causes of Carryover |
今年度分の調査実施に係る入力作業や集計作業については,独自に行うなどした。また,調査実施時期の関係上,今年度の学会等における成果公表には間に合わず,旅費の使用に至らなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は,多くの調査協力者に対する調査の実施ならびに集計を必要とすることから,これらを円滑に進めるための費用が必要となる。また,今年度に得られた研究成果を学会等で公表し,研究計画を精練するための参加費,旅費等の使用を見込んでいる。
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