2017 Fiscal Year Annual Research Report
Social development about the flexible deception and moral judgement depending upon the context
| Project/Area Number |
15K04065
|
|---|
| Research Institution | Kobe University |
|---|
Principal Investigator |
林 創 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (80437178)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
| Keywords | 社会性 / 幼児期 / 児童期 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は，幼児期から児童期の子どもを対象に，「場に応じた欺き行動と道徳判断」に着目し，その発達過程を実証的な研究によって検討するものである。
平成29年度は，平成27～28年度の研究を発展させつつ，児童期の子どもを対象に，場に応じた社会的行動の一つとして，皮肉の理解に関する研究を実施した。具体的には，これまでの研究では，児童期の中頃から，事実と違うことを言う発話の一種として，うそ（欺き）と皮肉を区別できるようになることが知られていた。しかし，日常場面では，話し手は皮肉を言ったつもりが，そうとは解釈されないような場合がしばしば生じる。そこで，本研究では，小学生を対象に，話し手の意図と結果を組み合わせることで，子どもは発話をどう理解しているかを検討することにした。また，事実や心の状態の理解と，発話が何かという判断の間に関連が見られるかどうかを検討した。
その結果，皮肉の発話について，低学年ではまだ正しい理解があまりできず，高学年になると，意図と結果が食い違っているような場合でも，正しく理解できる割合が増える傾向がみられた。過去の研究では，皮肉の理解ができるようになるのは8，9歳頃と言われており，本研究の結果は，これまでの知見に合致するものであると考えられる。
以上より，皮肉の理解を，より深いレベルで検討することができ，社会性の一つとして，児童期に場に応じた発話とその理解が発達する様子が明確になった。
|
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] 社会的認知の発達科学2018
Author(s)
日本発達心理学会，尾崎康子，森口佑介，林 創 他
Total Pages
310 (192-203)
Publisher
新曜社
ISBN
978-4-7885-1575-8
-
[Book] ベーシック発達心理学2018
Author(s)
開一夫，齋藤慈子，林 創 他
Total Pages
288 (265-274)
Publisher
東京大学出版会
ISBN
978-4-13-012113-2
