2018 Fiscal Year Annual Research Report
Ambiguous aspects of "being self-determined" among Japanese adolescents
Project/Area Number |
15K04067
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
中間 玲子 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (80343268)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 主体性 / アイデンティティ発達 / 青年期発達 / 自己観 / 理想自己 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本人の「主体性」の意味をさらに探るべく,計画をやや修正し,「主体性」とされる事態が,アイデンティティ発達や青年期発達,人生形成の様相といかなる関連にあるのかを検討した。さらに,「主体性」と「公共性」とのつながりを展望すべく,社会への意識との関連についても検討した。【方法】インターネット調査会社に依頼し,18~25歳の男女367名(平均年齢22.03歳;女子51.5%;学生51.2%)から有効回答を得た。【結果】以下のことが明らかにされた。①独立志向の意識は,アイデンティティ発達と正の関連にある。だが,混乱を抑制するわけではない。一方協調志向の意識は,アイデンティティ発達の否定的様相と関連する。ただし,いずれもIS規範尺度との関連が有意で,社会の価値を踏襲することでアイデンティティ発達が進む側面があると思われた。また,独立志向,協調志向ともに,賞賛欲求と正の関連にある。拒否回避欲求は協調志向の項目とのみ関連が示された。②社会への意識は,「人への無関心」「貢献意欲」「社会への無関心」「違う意見への関心」「違う意見の忌避」の5因子を抽出した。独立志向・協調志向ともに,「貢献意欲」「違う意見への関心」との正の関連を示し,いずれも社会への意識との関連につながると考えられた。だが同時に,協調志向は「人への無関心」「社会への無関心」との正の関連も示した。協調性において想定される「他者」がせまいことが推測された。③理想自己および文化的自己観の因子を二次因子分析したところ「独立性」「協調性」に加え,「抑制」因子が得られた。それらの得点からクラスターを作成したところ,「独立」「協調」「抑制」「抑制なし」のクラスターが抽出されたが,「抑制なし」群以外は,いずれも,抑制意識をある程度伴っていた。 これと並行して,自尊感情と恩恵享受的自己感の関連構造を検討するための縦断調査(第3波)も実施した。
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Remarks |
業績などを示したところのある個人ホームページと,本課題にも関連するプロジェクト研究のホームページ。
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Research Products
(3 results)