2015 Fiscal Year Research-status Report
児童期の社会的相互作用の特質と拡散的思考への効果:学童保育の異年齢集団に着目して
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15K04069
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
寺川 志奈子 鳥取大学, 地域学部, 教授 (30249297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 大介 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (20547947)
谷中 久和 鳥取大学, 地域学部, 特命助教 (60548907)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 社会的相互作用 / 児童期 / 拡散的思考 / 異年齢集団 / 学童保育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、児童期における社会的相互作用の特質とその発達変化、および、社会的相互作用の特質が拡散的思考に及ぼす効果について検討することを目的としている。対象は、異年齢集団のなかで生活や遊びを共にする学童保育に通う児童である。同年齢、異年齢という集団の質による社会的相互作用の特質の違いが、8歳から11歳において、どのように現れるのか。また、社会的相互作用の特質が拡散的思考にどのように影響を与えるのかについて「夢の小学校」協同制作課題への取り組みのプロセスと結果(作品)の分析から明らかにすることをねらいとした。 平成27年度は、異年齢集団における相互作用の特質について検討する前提として、同年齢集団における相互作用の特質を捉えるために、すでに実験実施済の、小学5年生の同年齢集団における相互作用の特質について、再分析を行った。実施した「夢の小学校」協同製作課題は、協同学習において多く扱われているような1つの正解を目標をするような課題ではなく、自分たちが考える「夢の小学校」について表現するという、自由度が高く、拡散的思考が要求される課題である。協同制作過程はすべて、ICレコーダーとビデオカメラによる記録を行った。今回分析対象としたのは小学5年生の同性同年齢4人1組の10グループである。各グループについて、約45分間の制作過程について、4人の相互作用に関する全てのプロトコル起こしを行った。それを基に、リーダー性、協調性、対等性、追従等、各メンバーの相互作用における役割の特質、および集団の質について検討した。同年齢集団において確認された今回の結果を参考にして、来年度以降、異年齢集団における相互作用の特質について実験、分析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
来年度に予定している実験に向けて、その分析指標となる基礎的な結果を今年度得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度得られた同年齢集団における相互作用の分析指標を基礎的な指標として、来年度以降、異年齢集団における相互作用の実験、分析を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた研究発表のための学会旅費が翌年度の開催となったことや、実験費が計画していた回数に達しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会発表旅費や実験にかかる費用に充てる。
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