2017 Fiscal Year Research-status Report
地域コホート法による「人間発達と社会変動」の検討:昭和ひと桁世代を対象として
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15K04077
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
福島 朋子 岩手県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (10285687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼山 博 山形県立米沢栄養大学, 健康栄養学部, 教授 (00285678)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ライフヒストリー / 聞き取り調査 / ハンセン病 / 台湾日本語世代 / 生涯発達心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の研究実績は次の通りである。 (1)ハンセン病回復者のライフヒストリーの精緻化:27~28年度に引き続き、これまでの調査から得られたハンセン病回復者に関する情報の整理を行い、回復者の自伝やハンセン病に関する各種資料などを合わせて、ライフヒストリーの精緻化を行った。そのうち3名についての成果を論文として公表した。さらに、これまでの調査の趣旨や目的をまとめ、図書(おうえんポリクリニック10周年記念誌)に寄稿した。 (2)ハンセン病回復者の聞き取り調査:(1)に基づいて、回復者3名より補足的な聞き取り調査を行った。聞き取り調査では、最近の在郷家族との関係や、自身の健康問題、そしてハンセン病療養所の将来に関して、特に話題となった。 (3)台湾の日本語世代のライフヒストリーの構築と精緻化:28年度までに行った台湾の日本語世代に対する聞き取り調査より5名のライフヒストリーを構築した。また、その精緻化のため2名より補足的な聞き取り調査を実施し、またこのほかに新規1名、継続2名に対する聞き取り調査を実施し、計4名についてのライフヒストリーの構築に着手した。 (4)台湾の歴史や社会状況等についての調査:27~28年度に引き続き、台湾の歴史や社会状況等の理解につながる文献や資料等の収集や現地視察を行った。また、日本語世代を含む、台湾の高齢者の現代の生活を把握するために、聞き取り調査の協力者の余暇活動に同行した。これらに(3)を合わせた研究成果の公表を兼ねて、山形県立米沢女子短期大学の総合教養講座(地域公開されている)の1コマを担当した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ハンセン病回復者、台湾日本語世代ともに、高・高齢者を研究対象としているため、病気や体調、もしくは家族の病気等もあって、必ずしも予定通りに調査が進んでいるとは言えない。特に台湾日本語世代についてはラポールの形成から始めなくてならないため、1人の調査に一定の区切りがつくまでに時間がかかっている。ハンセン病回復者についても協力者の体調を考慮して、予定した調査を1回取りやめている。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度と同様に、台湾日本語世代に対する調査は、調査協力者を一定数確保しなければならないものの、彼らの年齢等を考慮すると、これまでにライフヒストリーを構築できる程度まで情報が集まっている方への補足的な聞き取り調査を中心にした方がよいとも考えられ、今後はそのように進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたのは、ハンセン病回復者に対する調査が予定より少ない回数になってしまったことによる。平成30年度は、この分を補いながら調査を進めるものとし、調査のための旅費や謝金として使用する計画である。
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Research Products
(1 results)