2015 Fiscal Year Research-status Report
インクルーシブ保育における参加状態の多元的アセスメントモデルの構築
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15K04079
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
浜谷 直人 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 教授 (40218532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯野 雄大 白梅学園大学, 子ども学部, 特任講師 (00737033)
芦澤 清音 帝京大学, 文学部, 教授 (20459382)
五十嵐 元子 帝京短期大学, 子ども教育学科, 講師 (30468897)
田中 浩司 首都大学東京, 都市教養学部, 准教授 (50535036)
三山 岳 愛知県立大学, 教育福祉学部, 講師 (80582858)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | インクルーシブ保育 / アセスメント / 巡回相談 / 発達障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
第一クールとして、以下を実施し、成果物として公刊し、また学会等で企画・発表する予定である。①H私立幼稚園におけるインクルーシブ保育の状況を関係者計6人(対象児の担任保育者、主任保育者、フリー保育者、対象児の保護者、カメラマン)にインタビューし、その概要をもとに、集団づくりという日本の保育実践の伝統のなかに位置づけて、インクルーシブ保育の特徴を分析考察し、その成果を、2016年5月の日本保育学会でポスター発表する。②巡回相談において、支援対象児を含む、クラス集団の活動と保育者の実践経過を、それぞれの「物語」という視点から読み解くというコンセプトで、その実践と、理論的考察について、浜谷・三山編著、研究分担者も執筆して、ミネルヴァ書房「子どもと保育者の物語によりそう巡回相談」を、2016年4月に出版した。また、巡回相談におけるアセスメントをテーマに、前掲書執筆において得られた成果などを、2016年5月の日本発達心理学会でラウンドテーブルを開催して公表するとともに広く議論を喚起する。③H市、K市、S市、F市、H市などにおいて、良質なインクルーシブ保育を行ってきている実践を発掘し、それについてインタビューを実施し、順次、簡潔な論考として公表した。④インクルーシブ保育の実現過程における集団での遊びの指導をテーマに、浜谷はきわめてユニークで優れた実践を発掘し、「ヒーローごっこ遊び実践と集団づくり」(首都大学東京人文科学研究科・人文学報NO.512)に執筆し、2016年3月公刊した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H私立幼稚園に研究協力を得て、順調に、インクルーシブ保育実践の概要について資料の収集と分析が進んでいる。 全国各地の、良質な保育実践を6事例発掘し、それぞれに研究協力を得て、インタビュー調査が進行している。 研究分担者、それぞれに、巡回相談という場面であったり、保育支援という場面であったり、インクルーシブ保育実践に関与し、そこでの事例などでのアセスメント研究を進めてきている。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目の2016年度は、第二クールとして、これまで得られたデータの分析と、その考察を行い、順次、成果物を公表する予定である。 まず、昨年できなかった、国際学会に、H幼稚園のインクルーシブ保育の特徴、及び、日本の保育における集団づくりの歴史において、インクルーシブ保育はどう位置づくかなどについて、EECERA(ヨーロッパ幼児教育学会・2016年8-9月)において、2本のポスター発表を行う。それをもとに、英文での雑誌論文投稿に向けて準備を始める。 各地の良質なインクルーシブ保育実践についての研究は、大学の紀要論文などで成果を公表する予定である。 以上を総合的に考察しながら、インクルーシブ保育におけるアセスメントについて理論的に検討を行う。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、27年度に国際学会(バルセロナ)で発表するための旅費(3人分)を計上していたが、全体の予算額の関係から、28年度に1回だけ国際学会で発表することに変更したため、翌年度に繰り越すことになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度は、国際学会(アイルランド、EECERA)で発表予定であり、その旅費などに使用予定である。
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Research Products
(12 results)