2015 Fiscal Year Research-status Report
育児経験や保育体験と乳児の表情認知の変化に関する脳機能画像を用いた研究
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15K04081
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Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
庭野 賀津子 東北福祉大学, 教育学部, 教授 (30458202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田邊 素子 東北福祉大学, 健康科学部, 准教授 (30513618)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 保育士 / 保育課程学生 / 保育実習 / 乳児 / 表情認知 / fMRI / パーソナリティ・テスト / 脳反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
言語を獲得する以前の乳児は、音声や顔面の表情、あるいは身体の動きなどの非言語情報によって、養育者へ向けて様々な情報を発信する。養育者にとってこれらの乳児が発信する非言語情報を認知することは、適切な養育行動をする上で重要である。 本研究では、1.保育課程の学生の保育実習の前後の縦断研究、2.保育士と非保育士の横断研究、の2つの比較研究を実施し、乳児の表情認知における脳反応がどのような変化や違いを示すかを検討することを目的としている。平成27年度は、保育士課程の学生とコントロール群の非保育士課程の学生、それぞれ28名に対して、実習前後の2回、延べ112名のfMRIによる課題時の脳反応の撮像を行った。現在、その結果の解析に取り組んでいるところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H27年度は、刺激課題の作成のための乳児写真の収集と加工作業、fNIRSによる予備実験、fMRI実験に参加する被験者58名のリクルートとそれぞれへの説明と同意を得る作業、パーソナリティ・テスト5種類の実施と、保育現場での実習前後のfMRIによる撮像2回を実施した。fMRIによる撮像は延べ112名分と大量のデータ収集となった。実験は予定通り、順調に実施することができた。 なお、fNIRSを用いた予備実験の研究成果は、国内の学会で発表した。また、海外の学術雑誌へ論文1件を投稿した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、平成27年度に計測したfMRIのデータを解析し、実習前後の比較及びパーソナリティ・テストの結果と脳機能の相関について検討する。そしてその成果を国際会議や国内の学会で発表するとともに、海外の学術誌へ論文を投稿する予定で、現在準備を進めている。 また、今年度の研究課題として、保育現場で働く保育士及びコントロール群として同年代の一般女性を対象として、乳児表情写真を刺激として提示した場合の脳反応をfMRIで撮像し、分析する予定である。パーソナリティ・テストもあわせて実施し、性格と乳児の顔に対する脳反応との関連も検討する計画である。
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Causes of Carryover |
当該年度に海外の学術誌に研究成果発表の論文を投稿し、その論文が採択された際の投稿費用として予算を残していたが、投稿先からの査読結果の通知が当該年度中になかったため、当該年度の未使用額を、次年度論文が採択された際の投稿費用と、論文の修正の必要があった場合の英文校正代として使用する予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
英語論文校正(3回)180,000円、海外学術誌投稿費(3回)300,000円、国内学会出張費(2回)60,000円、実験被験者謝金(60人分)600,000円、実験アルバイト謝金(2人分)200,000円、消耗品代(記録媒体等)27,793円、合計 1,367,793円
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