2017 Fiscal Year Research-status Report
高齢者のライフスタイルタイプの解明、及び心理社会的支援・活性化モデルの構築
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15K04082
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
河野 理恵 目白大学, 人間学部, 准教授 (40383327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野寺 敦子 目白大学, 人間学部, 教授 (40320767)
讃井 真理 広島文化学園大学, 看護学部, 教授 (20412330)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高齢者 / ライフスタイル / 個別性 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国において、高齢化が叫ばれて久しい。毎年多くの者が「高齢者」という区分に新たに含まれているが、そのライフスタイルは多様化している。そのため、近年の高齢者という新たな大人世代のライフスタイルに着目し、平成29年度は、地方都市に在住する高齢者のライフスタイルの検討を行った。調査対象者は地方都市(中国・四国地方)に在住の65~75際の高齢者414名であった。探索的因子分析(主因子法・プロマックス回転)を実施した結果、「こだわり因子」「地域活動因子」「余暇志向因子」「健康志向因子」という4因子解を採用した。これは、これまで明らかにしてきた首都圏の高齢者のライフスタイル尺度の因子分析で得られた因子と同様のものであった。また、高齢者のライフスタイルタイプを明らかにするために、因子ごとに尺度得点を算出し、Ward法によるクラスタ分析を行った。その結果、5つのクラスタが得られた。この5つのクラスタを独立変数、ライフスタイル尺度の4つの下位因子を従属変数とした分散分析を行った結果、有意な群間差が見られた。これらの結果を踏まえ、「積極群」「地域活動群」「保守群」「消極群」「平凡群」と命名した。5つのクラスタは首都圏での調査結果と同様のものであったが、クラスタの内容に関してはやや異なる様相が見られ、特に「保守群」の特徴が顕著であった。このことから、地方都市の高齢者の方が首都圏の高齢者よりも、地域活動に熱心であることが指摘できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度の研究状況は、やや遅れていると言える。 調査対象者が高齢者であるため、平成28年度から平成29年度における研究において、調査対象者の確保が困難であった。そのため、予定していた高齢者の尺度作成に時間を要し、その次に予定をしていた若年者視点での高齢者の世代性(ジェネラティビティ)の特徴を明らかにする研究の着手に遅れが生じている。 さらに、平成29年度に実施予定であった韓国での調査であるが、日本と韓国との政治的問題が生じたり、韓国が情勢不安に陥ったりしたことなどから、研究の具体的な検討が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、平成29年度の後半に実施予定であった調査の準備を進めている。研究全体を円滑に勧めていくためには、この調査のデータ収集を迅速に終わらせることが最優先課題であると理解している。また、データ収集後には、結果を正確に分析し、若年者視点での高齢者の世代性(ジェネラティビティ)を明らかにすることが急務である。そのため平成30年度前半は調査を実施し、得られたデータの適切な分析と解釈を目指していく。 そして、平成30年度には、これまでの3年間で得られた研究結果に基づき、高齢者のライフスタイルを踏まえた心理尺的支援・活性化モデルの構築を行う予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 平成29年度には、韓国での調査を行わなかったことから次年度使用額が生じた。これは、日本と韓国との政治的情勢、及び韓国と北朝鮮の状況を考慮し、研究の実施を延期したためである。 (使用計画) 平成30年度前半に韓国での調査を行い、旅費を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)