2015 Fiscal Year Research-status Report
筆記具の持ち方の指導法改善に関する基礎研究―日本と欧州の比較を通して―
Project/Area Number |
15K04083
|
Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
小野瀬 雅人 聖徳大学, 児童学部, 教授 (40224290)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 慶子 長崎大学, 教育学部, 教授 (40264189)
千々岩 弘一 鹿児島国際大学, 福祉社会学部, 教授 (90163724)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 書字学習 / 筆記具の持ち方 / 小学生 / 大学生 / ドイツ / 日本 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、「筆記具の持ち方」及び「その持ち方の影響」「持ち方の形成過程」を明らかにするため大学生を対象とした調査を行った。質問紙調査については、東京での検討会議の他、メールを通し分担者と協議の上、質問項目を作成した。「筆記具の持ち方」調査については小野瀬(1996)の先行研究を参考にした。 平成27年9月に千葉県の教員養成系私立大学生66名を対象に調査を実施した。その結果、「正しい持ち方」は19.7%であった。それ以外の持ち方は80%以上を占めた。現在の筆記具の持ち方はいつ頃かに関しては50%が「小学生から」で、記憶していない者も23%みれらた。 以上の結果は、平成27年12月5日に兵庫県で開催された「日本応用教育心理学会第30回研究大会」で小野瀬・鈴木・千々岩の3名連名で発表した。 平成27年度は日本の小学生の「筆記の持ち方とその捉え方の調査」も実施予定であったが、平成28年度に実施を予定しているドイツでの調査の対象学年と同一の学年とすることが国際比較の上で望ましいため、分担者との協議の結果、平成28年度中にドイツでの調査の後で実施することにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度後半から現在まで、ドイツでの調査計画のため、大阪での検討会議とその後のメールを通した検討により、ドイツの大学の研究者と連携して研究を行ってきた日本人研究者の支援も得ながら現地の調査協力校の選定と日程の調整を行ってきた。特にドイツでは日本以上に小学生の写真撮影や質問紙調査の実施が困難であることが判明したため、「筆記具の持ち方調査」については写真撮影を断念し、研究分担者と協力して観察のみで記録をとることにした。質問紙調査も困難とのことなので、現地の学校の教師に面接法(インタビュー法)に切り替え、子どもの実態と指導法に関する情報を集めることにした。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は6月13日から18日にかけてドイツの初等学校で「筆記具の持ち方調査」と「子どもの実態と教師の指導法に関する調査」を実施するため、6月11日から20日までドイツのフランクフルト・ハイデルベルク出張を予定している。なお、それに先立ち、5月下旬に、現地での調査方法の妥当性を確認するため、横浜市の東京横浜独逸学園(在日ドイツ人の子どもが通学する学校)で、ドイツでの調査方法の最終確認を行う予定である。 また平成28年度後半には、ドイツでの調査と同一学年の日本人児童を対象に調査を実施し、国際比較研究可能なデータを収集し、今後の日本の児童の「筆記具の持ち方指導法」を改善するための資料とする予定である。
|
Causes of Carryover |
予定していた国内の小学校での調査研究を次年度に実施することになった。その理由は、次年度前半にドイツの初等学校での調査研究と同一学年で実施することとしたため、ドイツでの調査の後、つまり、次年度後半に実施することにしたことによる。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度実施する国内の小学校での打ち合わせと実際の調査の旅費、および調査用の質問紙の印刷等の経費に充てる予定である。
|
Research Products
(5 results)