2017 Fiscal Year Annual Research Report
A study on the holding pencils in 1st grader in Japan and Germany
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15K04083
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
小野瀬 雅人 聖徳大学, 児童学部, 教授 (40224290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 慶子 長崎大学, 教育学部, 教授 (40264189)
千々岩 弘一 鹿児島国際大学, 福祉社会学部, 教授 (90163724)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 筆記具の持ち方 / 指導法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本の小学校国語科「文字を書くこと」の指導事項である「筆記具の持ち方」の国際比較を通して今後の学習指導の改善に資する知見を得ることを目的として行った。 2015年に大学生66名を対象に調査した結果、小学校の教科書にある「正しい持ち方」の割合は19.7%で、それを逸脱した持ち方の学生からは書く際に手先の苦痛、疲労の大きさの指摘、それに伴うノートテイク困難の報告があった。 続いて「文字を書くこと」の指導が始まる日本の小学1年とドイツの初等学校1年の子どもに「筆記具の持ち方」の観察調査と指導者の面接調査を行った。ドイツを選んだ理由は、①初等学校1年より組織的な「書くことの指導」を行っていること、②文字の指導は初等学校から始めることがドイツの常識となっていることによる。2016年2月に日本の小学校1年生39名で調査した結果、教科書にある「正しい持ち方」の割合は35.9%であった。同年6月に移民の子女の多いドイツ都市部の初等学校で調査したところ1年21名中19.0%、2年20名中15.0%であった。ところがドイツ人の多い地域の学校では20名中50.0%であった。つまり、ドイツ人の子女の通う地域では「正しい持ち方」が多くみられ、逸脱する持ち方も少ない傾向がみられた。他方、2017年3月に日本のドイツ人学校で調査したところ「正しい持ち方」は1年生39名中20.5%であった。指導者の面接調査から、ドイツのドイツ人の多い学校以外では就学前から家庭や塾での「指導」の存在が判明した。そこで、同年11月に再びドイツで調査したところ「正しい持ち方」は移民の子女の多い学校の2年生21名中19.0%、ドイツ人の多い学校の1年生A校23名中60.9%、B校15名中60.0%と高い割合であった。 以上から、就学後に書字の組織的指導を行うドイツの指導法が筆記具の「正しい持ち方」に繋がることが示唆された。
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Research Products
(1 results)