2015 Fiscal Year Research-status Report
達成目標が前頭葉賦活に及ぼす影響 -実行機能課題とfNIRSを組み合わせた評価-
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15K04092
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| Research Institution | Doshisha University |
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Principal Investigator |
田中 あゆみ 同志社大学, 心理学部, 教授 (00373085)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 直己 東京福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (20452518)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 達成目標 / 実行機能 / fNIRS |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2015年度の研究成果は，達成目標と実行機能の関連を検討する実験を実施し，達成目標の違いによって前頭葉の活動が異なる可能性を示唆する重要な基礎データを得たことである。実験の概要は以下のとおりである。
実験参加者は大学生108名であり，実行機能課題として，Cambridge Cognition 社のCAMTAB（Cambridge Neuropsychological Test Automated Battery）の中から，計画力や空間認知能力を測定するOne Touch Stockings of Cambridge (OTS)課題を使用した。課題を実施する際に，達成目標を教示する４群（マスタリー接近・マスタリー回避・パフォーマンス接近・パフォーマンス回避）と統制群を設け，課題成績を比較した結果，難易度の低い試行においては目標の有意な効果はなかったが，難易度の高い試行において目標の違いによる有意な差がみとめられた。統制群と比べて，他者よりよい成績となることを目指すパフォーマンス接近目標について，統制群より正答率が低く，先行研究に一致する結果を得た。さらに本研究では新たに，練習より成績が悪くならないことを目指すマスタリー回避目標についてもパフォーマンス接近目標と同様の結果が得られたが，仮定されたパフォーマンス回避目標と課題成績との負の関連はみとめられず，従来考えられていたものとは異なるメカニズムを新たに考える必要性が示唆された。
この成果は，2016年8月に開催されるInternational Conference on Motivation で発表を予定している。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年度は，当初計画の研究2にあたる達成目標と実行機能の関連を検討する実験を予定どおり実施した。さらに計画における研究1にあたる実行機能課題（CAMTAB）のベースラインデータの収集を兼ねて，fNIRSを用いた予備実験を2015年度末より開始しており，CAMTABのワーキングメモリ容量を測定するSSP課題およびワーキングメモリにおける空間的情報処理処理能力を測定するSWM課題について現在データ収集がすすんでいる。従って，本研究課題の進捗状況はおおむね順調に進展していると考える。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進にあたり，現在進行しているfNIRSを用いた予備実験の解析に時間を有する場合は，本実験の開始が遅れる可能性もあるが，計画の内容自体の変更はないと考える。今後も当初の計画どおり推進していく。
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| Causes of Carryover |
2015年度は，達成目標と実行機能課題の成績との関連に関する実験を行い，当初の予想よりも早く有効な結果を得ることができたため，実験用ソフトの費用や参加者への謝礼が計画より少なくおさまった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度はfNIRSを用いた予備実験の継続および本実験を行う予定であり，参加者への謝礼やデータ解析ソフトおよび解析用機器の費用，また，専門的知識の供与に関連する費用に使用する。
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