2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K04098
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Research Institution | Osaka University of Comprehensive Children Education |
Principal Investigator |
小椋 たみ子 大阪総合保育大学, 公私立大学の部局等, 教授 (60031720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 Susanne 愛知淑徳大学, 健康医療科学部, 教授 (40239413)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 育児語 / オノマトペ / 幼児語 / 接尾辞 / 語彙発達予測 / 言語入力 / clan |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 9,12,14,18,21,24ヶ月児合計160名のままごと場面の母子の発話データをclanプログラムで分析するために研究分担者宮田の助言をえてJCHATファイル作成を継続中である。 2. 9ヶ月20名,12ヶ月21名,14ヶ月26名,18ヶ月21名,21ヶ月児 19名,24ヶ月16名の合計123名の母親の育児語使用(幼児語motherese,オノマトペ、接尾辞使用)の年齢推移と33ヶ月追跡時点の子どもの語彙発達へいかなる効果があるかを明らかにした。育児語の種類はオノマトペ > 幼児語 > 接尾辞の順で、オノマトペが多く発せられ、年齢に伴い減少し,9ヶ月が18ヶ月,24ヶ月より有意に高かった。各育児語の下位の種類の年齢推移をみると,幼児語は動作名詞 > 名詞 ≒ 形容詞 > communicatorの順で減少し,また,形容詞が24ヶ月で12ヶ月より有意に発話単位タイプ数が多かった。子どもの語彙獲得の発達に合わせて母親が幼児語形を使用し,足場づくりをしていることが示された。オノマトペは,語基だけ,語基反復2以上,語基withオノマトペ標識(促音,撥音,長音,り,複合),語基反復withオノマトペ標識に分類して年齢推移をみると語基反復,特殊モーラを語基のあとにつけたオノマトペは,言葉を獲得する前の9ヶ月が一番高かった。反復や特殊モーラを含むオノマトペはリズミカルで子どもの注意をひきつける役割を果たしていると考えられる。「さん,ちゃん」の接尾辞使用については年齢推移はなかった。 母親の育児語と子どもの語彙発達との関係は14ヶ月の幼児語使用は33ヶ月時点の表出語数を正に予測した。特に幼児語形動作名詞の使用が動詞数を予測していた。語出現期において母親の育児語が33ヶ月時点の子どもの語彙発達にプラスの効果があることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
母子の発話データのJCHAT形式での入力はJCHAT形式での入力は現在、継続中である。母親の育児語指標の分析は終了し,子どもの33か月時点の語彙発達に影響する母親の育児語の種類と子どもの年齢を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
1.JCHATファイルの形態統一をはじめとするファイルの整備を行う。2.JCHATファイル整備後に母子の語彙類(名詞,動詞,形容詞,社会語)の算出を行う。3.JCHATファイル整備後に母子の平均発話長の算出を行う。4.JCHATファイル整備後に母子の動詞の語末形態素(動詞の語幹に連続する形の末尾に位置する形態素),中間形態素(動詞の語幹と語末形態素の間に位置する形態素)の算出を行う。5.母親の語彙,平均発話長,語末・中間形態素の言語入力と子どもの言語発達との関係を明らかにする。6.論文を作成する。
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Causes of Carryover |
作業担当の1名が育児、もう1名が大学院入学のため、予定したよりも作業を実施できず、謝金への支出が予定より減少したこと、また、成果報告のための国際学会(SRCD)が4月6-8日開催のために平成28年度旅費として使用できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度繰越金は旅費、JCHATファイル整備と言語指標算出のための作業謝金として使用する。
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Research Products
(8 results)