2016 Fiscal Year Research-status Report
高次の能力を測定するための問題作成技法の提案とその妥当性の検討
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15K04104
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Research Institution | The National Center for University Entrance Examinations |
Principal Investigator |
荒井 清佳 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 助教 (00561036)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 問題作成技法 / 問題作成ガイドライン |
Outline of Annual Research Achievements |
テストはさまざまな場面で利用されているが,テストが適切であるためには,テストを構成する問題項目自体が適切である必要がある。本研究は、広範な問題形式や解答形式を前提として,問題項目作成技法を提案することを目的としている。そのために本年度は,文献調査の一環として,International Test Commission(ITC;国際テスト委員会)が公開しているガイドラインの翻訳を行い,その内容に関連して問題作成等に関わる実務者へのインタビューを行った。 対象としたガイドラインは,ITCが公開しているガイドラインのうち,テストの使用(Test Use)に関するもの,コンピュータを用いたテストに関するもの,テストの品質管理(Quality Control)に関するものの三つのガイドラインである。これらの翻訳は研究協力者とともに昨年度から続けているものであるが,テストに関係する者に読みやすいように今年度はさらに精査を重ね,三つのガイドラインの表現の統一を図った。その上で,日本テスト学会のホームページおよびITCのホームページにて公開されるよう手続きを進めた。平成29年の夏頃には両ホームページに掲載される見込みである。 各ガイドラインについて,それぞれに関わるテストの実務家に対してインタビューを行い,ガイドラインの有用性や日本の実務との違いなどについて尋ねた。その成果を平成28年7月に開催されたITCの学会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成28年度には,「研究実施計画」で平成28年度に実施しようと計画していたことを達成できなかったため,「遅れている」と評価する。 その理由は,文献調査,特にガイドラインの翻訳に時間がかかってしまったことである。そのため,文献調査に続いて実施を計画している解答プロセスに着目した実証的な検討に向けた準備を本年度中に実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の進捗状況は当初の「研究実施計画」より遅れてしまっているものの、着実に研究は進んでいる。また,ガイドラインの翻訳は平成28年度で完了した。そこで平成29年度には,これまでの成果をいかし,ガイドラインや文献調査のまとめ,さらなるインタビュー調査の実施などを行いつつ,当初の研究実施計画に沿って効率的に計画を進めていく。
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Causes of Carryover |
研究の進捗状況は当初の「研究実施計画」より遅れてしまったため,使用する計画であった問題作成に対する謝金の支払いや実験に必要な機材の購入などができなかった。そのため,次年度使用額が生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は,実証的な検討に向け,問題項目の作成および実験の実施を計画している。問題作成者への謝金および実験参加者への謝金に使用する計画である。また,成果を報告するための学会発表や論文等の経費や文献資料の購入などにも使用する計画である。
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