2017 Fiscal Year Annual Research Report
A study on the predictive factors of bereavement response of palliative care famililies and the usefulness of mental support
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15K04108
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齋藤 秀光 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (40215554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 知宏 尚絅学院大学, 人間心理学科, 准教授 (30626875)
中保 利通 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 特任研究員 (40323000)
佐竹 宣明 東北大学, 大学病院, 助教 (20723208)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 家族支援 / 家族心理教育 / 緩和ケア / アンケート調査 / ビリーブメント / 精神的健康度 / レジリエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
入院時におけるアンケート調査では、東北大学病院緩和ケア病棟で実施している家族教室の参加者50名に対して、死別に伴うリスクアセスメントツールであるBereavement Risk Assessment Tool(BRAT)を実施した。あわせて精神的健康度(Kessler Psychological Distress Scale: K6)およびレジリエンス(Tachikawa Resilience Scale: TRS)を測定した。その結果、BRATによる評価では、リスクなしには8名が該当し、リスク最少に17名、リスク小に20名、リスク中に4名、リスク高には1名が該当した。K6による精神的健康度では12名(24.0%)がハイリスク(10点以上)だった。BRATのリスクが高くなればなるほどK6の得点も高かった(ρ=0.30, p<0.05)。一方、レジリエンスの得点が高いほどBRATのリスクは低かった(ρ=-0.44, p<0.001)。 退院後のアンケート調査では、東北大学病院緩和ケア病棟に入院していた患者の家族を対象に実施した。347名に郵送し、173通の回答が得られた(回収率50%)。アンケートでは、K6、TRS、死別後対処尺度およびサポートのニーズについて尋ねた。その結果、K6による精神的健康度では28名(25.9%)がハイリスク(10点以上)だった。死別後に故人との絆の得点が高いほど精神的健康度が低く(r=0.25, p<0.01)、身体的サポートをより求めていた(r=0.21, p<0.01)。一方、生活志向性の得点が高いほどレジリエンスの得点が高かった(r= .36, p< .01)。 以上から、緩和ケア患者家族の精神的健康度は、患者入院時および退院後において一般人と比べて低かった。その中でもハイリスクに該当する家族を特定し、適切なサポートを行う必要性が明らかになった。
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