2019 Fiscal Year Annual Research Report
Child growth and paternal involvement after divorce: A longitudinal study
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15K04111
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
堀田 香織 埼玉大学, 教育学部, 教授 (10251430)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 母子家庭 / 面会交流 / 離婚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は母子家庭の子どもと父親との関わりについて調査を行い、長期的に見て父親の存在・関わりが子どもの心理的成長にどのような影響を及ぼすのかを明らかにすることを目指したものである。 2015~2016年度は、母子家庭の子どもを対象としたインタビューにより、父母離婚後の父親との関わりを肯定的にとらえる男子学生のアイデンティティ形成について検討をおこなった。また、臨床場面における事例をもとに、心理的問題を抱えた思春期女子の父親不在についての葛藤とそれを乗り越えるプロセスについて検討を行った。2017~2018年度は、2010年に実施された、面会交流・養育費・共同親権制度についてのアンケート調査(NPOしんぐるまざあず・ふぉーらむ、NPO全国シェルターネット 2010)を基に、新たにアンケ―ト調査を行い、上記調査から10年後の、母子家庭の母親たちの面会交流についての意識と、実態を報告した。 最終年度は、2003年度インタビュー調査(堀田 2003)の協力者であるシングルマザーの中でも、特に配慮を要する学童期の児童を養育している母親に焦点をあてて、17年後の追跡インタビュー調査を行った。別れて暮らす父親の子どもの問題への関わり方をみると、子どもの問題に主体的に頻繁に関わったケース、子どもの問題に関わらず、途中で交流が途絶えるケース、離婚後交流がないケースが存在した。家族システムについては、子どもの問題をめぐり母子悪循環を起こし閉鎖的になりやすい学童期や、子どもの反抗が顕著になる思春期に、子育てについての両親同盟がつくりにくく、いずれか一方の親を価値下げするような家族システムが生じることが見いだされた。こうした時期には、母子家庭の中での子育てが困難になるが、やがて子どもの成長とともに、父親が母子サブシステムに与える影響も少なくなり、父子サブシステムが独立していくことが示された。
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Research Products
(3 results)