2018 Fiscal Year Research-status Report
対人援助職者・訓練生のセルフケア力を育み職業不適応を予防する心理教育に関する研究
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15K04126
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| Research Institution | Okayama University |
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Principal Investigator |
安藤 美華代 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (60436673)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 対人援助職者 / セルフケア / 職業不適応 / 予防 / 心理教育 / 抑うつ / 不安 / マインドフルネス |
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| Outline of Annual Research Achievements |
当該年度において本研究では、これまで検討を重ねることで作成した『“サクセスフル・セルフ”ぷらすセルフケア』の実践可能性および有用性の検討で得られた成果をいかし課題へ対処した改訂版の有効性について検討を行った。検討の結果、同期の仲間意識を促進し、こころの健康やチームでの実践に良い影響を与える可能性が見られ、離職率の低さも示唆された。
本研究の成果から、“サクセスフル・セルフ”（安藤, 2007, 2012）では、これまで同様、社会の中で自分らしく生きる基礎力を育むことをねらいとして、自己理解力、人間関係力、対処と解決力の向上をめざしたセッションを行い、この力がよく身につき継続できるようセルフケア力を高めるため、“マインドフルネス”を行うという、『“サクセスフル・セルフ”ぷらすセルフケア』の実践モデルが構築された。この実践モデルでは、本取り組みを実施機関で継続して行うためのあり方、各セッションを魅力ある充実した内容にするための工夫や留意点も示された。一方で、若手を指導したり管理したりする人たちに本取り組みの意義を理解してもらい共有する困難さ、若手が治療や支援に携わる人たちの気もちの理解や対応に心もとなさを感じていることが明らかになった。
このような課題に対して当該年度は、管理者の本取り組みへの直接的及び間接的な参加を充実させた。その結果、参加者の本取り組みの役立ち感の向上が示唆された。また、対人援助者、病とともに生きる人を対象に、病をめぐる気もちを理解することを目的とした検討を行っている。
次年度には、当該年度に取り組んだ実践研究、実証的研究について、詳細な検討を重ね、『“サクセスフル・セルフ”ぷらすセルフケア』の実践モデルの基盤づくりを行い、改訂の上、発展につなげる。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年度からマインドフルネスを加えて行っている心理教育『“サクセスフル・セルフ”ぷらすセルフケア』の実践は、2018年度には、実践対象領域の増加、それに伴う心理教育内容構成の変更がなされた。そのため2019年度に、より精緻に達成するための追加の実践研究を行うことにしている。
また、これまでの実践研究からみえてきた、若手が感じている治療や支援で携わる人たちの気持ちを理解したり対処したりする困難さについて、実証的研究を行っている。
多職種新人医療者向けについては、2018年度に新たに増加した参加組織を含めた研究の結果を充分検討し、まとめにつなげる。
心理臨床訓練生向けについては、これまでの結果を統合し、まとめにつなげる。
実証的研究については、分析を丹念に行い、成果をまとめ、今後の発展につなげる。
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| Strategy for Future Research Activity |
実践研究、実証的研究とも、学術雑誌、学術学会発表などで成果を公表していく。
心理教育『“サクセスフル・セルフ”ぷらすセルフケア』 対人援助職者版としてまとめる。協力の得られる医療従事者や学校教職員へ、実践を行っていく。実践の際に行う振り返りシートを活用して、有用性について検討し、必要に応じた改訂をしていく。
心理教育『“サクセスフル・セルフ”ぷらすセルフケア』 心理訓練生版としてまとめる。実践の際に行う振り返りシートを活用して、有用性について検討し、必要に応じた改訂をしていく。
2012年度から年1回実施している、“サクセスフル・セルフ”研究会を継続し、教育、医療、産業領域でこの心理教育に取り組んでいる実践者達が発表したり交流したりする場を設ける。
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| Causes of Carryover |
2017年度からマインドフルネスを加えて行っている心理教育『“サクセスフル・セルフ”ぷらすセルフケア』の実践について、2018年度に実践対象領域が増加したことで、それに伴う心理教育内容構成の変更がなされた。そのため、追加の実践研究を行う必要が生じた。
そのような経緯から、心理教育『“サクセスフル・セルフ”ぷらすセルフケア』 対人援助職者版、心理訓練生版とも、2018年度の結果も踏まえた内容で改訂を行い、2019年度にワークブックとしてまとめる。
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| Remarks |
第7回サクセスフル・セルフ研究会を2018年12月9日（日）岡山大学で開催した。大学生・大学院生、学校教員、心理士，医師等約30名が参加した。チーム医療と人間関係力の向上を目的に新人医療従事者を対象として行った“サクセスフル・セルフ”, 特別支援学校の新転任者を対象として行った“サクセスフル・セルフ”による職場のメンタルヘルスへの取り組みについて発表していただいた。
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